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【霧プロのキーホース診断】根岸S2024 素質と勢いは血の宿命を超えるか? 新星アームズレインを掘り下げる

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【霧プロのキーホース診断】根岸S2024 素質と勢いは血の宿命を超えるか? 新星アームズレインを掘り下げる


ウマニティプロ予想家・が、今週の重賞出走馬の中から、特に的中への鍵を握りそうな1頭にフォーカス。指数・血統・調教を中心とした“予想的イマジネーション”で掘り下げていきます。



アームズレイン
先週当記事で取り上げたショウナンバシットは、見せ場を作るも敗戦。4歳勢の勢いを取り戻すには至らなかった。が、ダート路線は話が別だ。先週の東海Sにおいてオメガギネスが2着に入るなど、一線級を脅かす位置まで4歳勢が台頭してきている。
今回の根岸Sも同様で、1400m戦を強い競馬で圧勝してきたエンペラーワケア、交流重賞で古馬相手に既に善戦しているパライバトルマリン、怒涛の4連勝で重賞路線に殴り込みを掛けるサンライズフレイムなど、かなり強力な布陣。古馬の壁が厚いこのレースにおいては珍しく、4歳馬優勢と思えるだけのメンバーが揃っている。
今回取り上げるアームズレインもまた、その中に確実に入ってくる1頭。3歳春の芝レース挑戦を経て力を付け、7月にダートに戻ってからは4戦3勝。前述した同世代のライバル達に何ら劣らないインパクトを引っ提げて、重賞のここに挑んできた。強者揃いの中で本馬がどれだけやり合えるのか、いつも通りに各養素から掘り下げていきたい。

まず指数面だが、ダート路線に戻った7月以降、勝った時に刻んだ指数は相当に高いもの。
2勝クラスの清洲特別の時点で重賞レベルの指数を記録しており、続く上越S、そして前走のりんくうSにおいても、G3ならば楽に勝てるほどの数字を刻み続けているのだ。下級条件からこのレベルの数字を刻み続ける馬というのは珍しく、素質は確実に重賞級、G1すら狙えるレベルにあると言っても過言ではない。
それだけの可能性を示している馬なだけに、2走前の室町Sにおける大惨敗をどう評価するかが悩ましい。序盤に若干窮屈になりそうなシーンこそあったものの、特段揉まれ込んだわけでもなく、比較的スムーズに好位追走が叶ったが、直線では内にモタれるような形で全く伸びなかった。
続くりんくうSでは差して勝っているように、”逃げなければダメ”とか”砂を被ったらダメ”というタイプではないし、キャリア全体を見ても芝レース含め掲示板を外したのはこの1戦だけという堅実なタイプ。考えられる敗因としては”3ヶ月の休み明けで気持ちが乗っていなかった説”くらいしか思いつかない。順調に使われつつ調整もしっかり施されているようであれば、しっかりと自分の力は出してくるように思えるし、好走時と同等レベルの走りをしてくるようならば、ここでも勝ち切って不思議ないはずだ。

しかし、本馬には”血の宿命”とも言うべき乗り越えなければならない壁がある。距離だ。
本馬の母アームストウショウは現役時代ダート1000mで2勝を挙げている馬で、母の兄にはダート1200mを中心に実績を積み上げ、上級クラスまで駆け上がったトウショウトリガーやトウショウガナーがいる。ベテランの競馬ファンならば懐かしく感じる、トウショウ牧場が育んだスピード血統の出身なのだ。
それだけに、実績を重ねた1200mから1400mに距離が伸びることが、レースレベルに大きな影響を与える可能性を考えなくてはならない。
本馬自身は芝・ダートの両方で1400m戦を経験しているが、2歳時の寒椿賞ではハナに立って自分のペースで運べたものの、最後に失速する形。芝1400mだったファルコンSでも、鞍上が「残り100mでパタっと止まってしまった」というコメントを残している。この両レースの次走はいずれも1200mでパフォーマンスを上げている点からも、1200m>1400mのタイプである可能性は高そうだ。父が比較的距離適性に幅のあるコパノリッキーであることや、前走で差しに開眼したことで、どこまで適性差を埋められるかが鍵となる。


調教面では前走以降も順調に追い切りを消化しており、全体時計や終いの時計の出し方も良いイメージが持てるもの。レース間隔もちょうど良く、2走前のようにびっくりするほど崩れる可能性は少ないと思える。中京、新潟で強い勝ち方を見せているように左回りも問題ないだけに、あと200mを乗り切れれば勝ち負けに絡んでも不思議はない。が、今回はただの1400m戦ではなく、直線が長い東京の1400m。どこまで踏ん張りが利くかは本馬の素質と勢いに依存するところが大きい。個人的には将来のダートスプリントG1馬と高く評価している存在なだけに、今後がさらに楽しみになる走りを期待したいところだが、結果は果たして。


(きり)プロフィール
ウマニティ公認プロ予想家。レース研究で培った独自の血統イメージに加え、レース戦績や指数等から各馬の力関係・適性を割り出す”予想界のファンタジスタ”。2023年1月には、長年の活躍が認められ殿堂プロ入りを果たす。

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