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【秋華賞】絆で掴んだリバティアイランドの牝馬3冠 中内田調教師は川田将雅騎手との縁に万感

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【秋華賞】絆で掴んだリバティアイランドの牝馬3冠 中内田調教師は川田将雅騎手との縁に万感

秋華賞が15日、京都競馬場で行われ、リバティアイランドが史上7頭目の牝馬3冠を達成した。管理する中内田充正調教師(44)=栗東=は感無量の表情。調教師になる以前から親交が厚く、多くの管理馬の手綱を任せている川田将雅騎手(38)=栗東=とのタッグで偉業を達成し、絆が結実した勝利を静かにかみしめた。また、リバティは今年から導入された牝馬3冠制覇に対する褒賞金1億円を獲得した。



リバティアイランドと川田騎手を信頼し、送り出した。ついにたどり着いた3冠の頂。ゆっくりと検量室に降り、喜びをかみしめ、中内田調教師は笑みを浮かべた。

「ホッとした気持ちと、やっと3冠を、目指していたところを取れたので、関係者の皆さんに感謝したいと思います。競馬をしたあとは言葉にまだ表せない感情で、うれしいのはうれしかったですし、すごいことを馬がやってくれたんだなあという気持ちです」


戦前には「ここを取りにいくという気持ちで仕上げてきました」と3冠に懸ける思いを伝えてきた。放牧先のノーザンファームしがらきでは520キロまで成長。レースでは476キロに仕上げた姿をファンに披露した。「ホッとした気持ちが大きいですね。プレッシャーというより、皆さんの期待に応えられたところです」と単勝1.1倍の人気に応え、胸をなでおろした。

レースはファンと同じ目線で見ようと、スタンドで見た。「その場の雰囲気を楽しもうと」。作戦は川田騎手に一任。今回を含めて、中内田厩舎が挙げたGⅠ・8勝のうち6勝を挙げる鞍上に全幅の信頼を置いた。3、4コーナーで外に出したところをポイントに挙げ、「〝さすが将雅だな〟と」。手放しでその手腕をたたえた。

地方競馬の馬主だった指揮官の祖父が、川田騎手の父で佐賀競馬の孝好調教師(67)と懇意だったことから、縁が生まれた。レース前日の14日がその祖父の命日で、偉業達成の15日は川田騎手の誕生日。運命のめぐり合わせにトレーナーは「縁って面白いですね。競馬の神様や、先祖も見守ってくれていたのかもしれません」と目を細めた。

次走に関してはオーナーサイドと相談して決める予定。世代の頂点に立ち、今後は世代や性別を超えた強豪との戦いが待つ。絆が紡ぐ物語は、これからも続いていく。(山口大輝)

リバティアイランド 父ドゥラメンテ、母ヤンキーローズ、母の父オールアメリカン。鹿毛の牝3歳。栗東・中内田充正厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。戦績6戦5勝。獲得賞金5億4333万6000円。重賞は2022年GI阪神ジュベナイルフィリーズ、23年GI桜花賞、GIオークスに次いで4勝目。秋華賞川田将雅騎手、中内田充正調教師ともに初勝利。馬名は「米、アッパーニューヨーク湾の自由の女神像が建っている島」。

★吉田俊介代表「距離は大丈夫」

オーナーの(有)サンデーレーシングは、昨年のスタニングローズに続く連覇で、レース史上単独トップとなる4勝目。生産者・ノーザンファームの副代表も務める吉田俊介代表(49)は、「体が増えてきたのでマイラーなのかなという意識があって、きょうの結果を見て今後を決めようと思いましたが、これなら距離は大丈夫だなと思いました」と満面の笑みを浮かべる。今後については「これから中内田調教師といろいろ話をして決めます」とし、選択肢の1つとしてジャパンC(11月26日、東京、GⅠ、芝2400メートル)が入っていることを示唆した。今後は強力古馬、牡馬勢との戦いに突入するだけに、その動向から目が離せない。

【アラカルト】


川田将雅騎手…15回目の騎乗で秋華賞初勝利。これまでは2016年(パールコード)、18年(ミッキーチャーム)の2着が最高。JRA・GⅠはスプリンターズSママコチャ)に続き今年4勝目、通算25勝目。JRA重賞もスプリンターズS以来で今年13勝目、通算129勝目。

★3歳GⅠ完全制覇…武豊騎手、福永祐一元騎手、クリストフ・ルメール騎手に続く史上4人目。

★誕生日GⅠ制覇…自身の誕生日にJRA・GⅠを勝利した騎手は、18年オークスアーモンドアイ)のルメール以来2人目。

中内田充正調教師…管理馬10頭目の出走で初勝利。これまでは16年、18年の2着が最高。JRA・GⅠはオークスリバティアイランド)以来で今年3勝目、通算8勝目。JRA重賞は札幌記念プログノーシス)以来で今年7勝目、通算37勝目。

ドゥラメンテ産駒…今年の2頭を含む産駒4頭の出走で初勝利。これまでは昨年(スターズオンアース)の3着が最高。JRA・GⅠはオークス以来で今年4勝目、通算11勝目。JRA重賞は関屋記念アヴェラーレ)以来で今年10勝目、通算21勝目。

★馬主・サンデーレーシング…昨年(スタニングローズ)に続く通算4勝目で単独トップ。JRA・GⅠは安田記念ソングライン)以来で今年5勝目、通算72勝目(他にJ・GⅠを2勝)。JRA重賞は産経賞オールカマーローシャムパーク)以来で今年12勝目、通算234勝目。

★生産者・ノーザンファーム…昨年に続く、通算12勝目。JRA・GⅠはスプリンターズSに続き今年9勝目、通算194勝目(他にJ・GⅠを3勝)。JRA重賞もスプリンターズS以来で今年36勝目、通算797勝目。

★単勝1番人気の勝利…20年(デアリングタクト)以来で通算9回目。


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