中央競馬ニュース

【祐一独占手記】コントレイル無敗3冠「声援で踏ん張れた」

 0   8   2,944
シェアする  x facebook LINEで送る
【祐一独占手記】コントレイル無敗3冠「声援で踏ん張れた」

 史上3頭目の快挙達成だ。菊花賞が25日、京都競馬場で行われ、単勝1・1倍の断然人気に推されたコントレイル(栗東・矢作芳人厩舎、牡3歳)がクビ差で勝利。シンボリルドルフ、父ディープインパクト以来の無敗クラシック3冠馬に輝いた。主戦の福永祐一騎手=栗東・フリー=は、史上最年長43歳10カ月17日で“3冠馬ジョッキー”の称号をゲット。本紙コラム『新ユーイチが行く 特別編』として手記を寄せた。

 ◇

 父ディープインパクト以来となる、無敗での3冠を達成することができました。父子での達成は世界でも類を見ない大変な偉業。その鞍上に自分がいられることを、本当に幸せに思います。大一番で単勝1・1倍の支持を受けるプレッシャーはありましたが、騎手としてこういう経験をできる幸福感でいっぱいです。

 ただ、本当に疲れました。正直なところ『負けるかも』と思った瞬間もありました。パドックでまたがったときも返し馬での走りも落ち着きがあって、不安に感じるところはありませんでした。スタートも良かったのですが、1周目の3コーナーからずっと2着馬(アリストテレス)が斜め後ろにいて、プレッシャーをかけ続けてきました。そのため息を入れるタイミングがなく、リラックスして走らせることができませんでした。2周目の4コーナーでうまく外に持ち出せてからも、いつものように突き放せませんでした。相手の手応えも良かったので、一瞬、不安な気持ちがよぎりました。


 そんなときに飛び込んできたのがファンの声援でした。有料入場者数698人とまだまだ少ないですが、その声が踏ん張りにつながり『最後まで馬を信じ抜かなきゃいけない』と思って、強い気持ちで追いました。無観客で行われた皐月賞日本ダービーでも感じましたが、競馬は観客がいて成り立つものだと改めて思いました。また、これだけの長い距離を力みっぱなしで勝った馬を、僕は知りません。きょうはコントレイルに底力でねじ伏せて勝たせてもらったレース。本当に頭が下がる思いです。

 デビュー25年目で、3冠ジョッキーという勲章をもらいました。“馬ファースト”の思いはブレずにやってきましたが、マインドセット(考え方)は変化しています。若いときは自分がいかに勝つかを考えていました。全国リーディングを争っていたときには攻撃的になっていたようで、身体に不調をきたすこともありました。どこかでストレスを感じ、そういう姿勢は合っていなかったのだと思います。40代に入ってからは、心から競馬を楽しんでいます。43歳を迎えた今の一番の武器は、慌てないこと。1冠目の皐月賞は、まさにそれが生かされたレースでした。

 偉大な父を持つ点で、自分とコントレイルを重ねられる方もいると思いますが、僕は彼ほどできた息子ではありません(笑)。ただ、福永洋一の息子としてこの世界に入り、父が成し遂げられなかった日本ダービー制覇、3冠達成をできたことで、少しは親孝行ができたかなと思います。

 コントレイルにとってはここがゴールではなく、ここからがスタートです。これからは年長馬相手の戦いになります。激戦だったので今はゆっくり休んでほしいですが、次は日本で一番強い馬という称号を得るために、ともに頑張っていきたいです。 (JRA騎手)

★25日京都11R「菊花賞」の着順&払戻金はこちら

 ★クラシック競走…3歳馬限定で、牡馬(牝馬も出走可)は皐月賞日本ダービー菊花賞、牝馬は桜花賞オークスが該当。牝馬3冠最終戦の秋華賞はクラシックには含まれない。

 ★福永洋一氏…福永祐一騎手の父で、元JRA騎手。1948(昭和23)年12月18日、高知県生まれの71歳。68年3月に栗東・武田文吾厩舎から騎手デビューし、同期の岡部幸雄騎手(通算2943勝)、柴田政人騎手(同1767勝)らと馬事公苑(競馬学校の前身)の「花の15期生」と呼ばれた。70年から9年連続JRAリーディングジョッキーに輝くなど“天才”と称されたが、79年の毎日杯で落馬し、脳挫傷のため引退。2004年に騎手顕彰者に選出された。JRA通算983勝、うち重賞49勝。

福永 祐一(ふくなが・ゆういち) 1976(昭和51)年12月9日生まれ、43歳。滋賀県出身。栗東・北橋厩舎所属で96年3月にデビュー。同年53勝で最多勝利新人騎手に輝いた。2011、13年にJRAリーディング獲得。JRA通算2368勝。うち重賞はGI28勝を含む146勝。160センチ、52キロ。週末の競馬開催日に本紙でコラム「新ユーイチが行く」を連載中。



■注目記事【ホープフルS2024】直撃取材!プロ予想家最速予想 「豚ミンC」「くりーく」の狙いは!? 注目馬&妙味ある穴馬候補に迫る!

■おすすめ【ホープフルS2024ほか】12/28(土)の関東上位騎手騎乗馬 戸崎圭太騎手はホープフルSで2連勝中のマスカレードボールに騎乗

■おすすめ【ホープフルS2024ほか】12/28(土)の関西上位騎手騎乗馬 C.ルメール騎手はアパパネの子アマキヒでホープフルSに挑む



この記事はいかがでしたか?
ナイス (8)

このニュースへのコメント

コメントはありません。

関連競馬ニュース

新着競馬ニュース

人気競馬ニュース

会員登録(無料)でできること

レース情報

今週の注目レース

12月28日()
ホープフルS G1

⇒今週の番組表へ

先週のレース結果

12月22日()
有馬記念 G1
12月21日()
阪神カップ G2
中山大障害 G1

⇒先週の番組表へ

総賞金ランキング
JRA競走馬総賞金ランキング
4歳以上
1 ジャスティンパレス 牡5
78,688万円
2 リバティアイランド 牝4
74,444万円
3 タスティエーラ 牡4
65,898万円
4 ソウルラッシュ 牡6
60,586万円
5 ナムラクレア 牝5
59,291万円
6 ソールオリエンス 牡4
57,546万円
7 セリフォス 牡5
53,003万円
8 ベラジオオペラ 牡4
52,047万円
9 テーオーロイヤル 牡6
51,827万円
10 ジャックドール 牡6
49,004万円
» もっと見る

3歳
1 レガレイラ 牝3
63,438万円
2 ダノンデサイル 牡3
51,249万円
3 チェルヴィニア 牝3
40,342万円
4 シンエンペラー 牡3
35,604万円
5 アーバンシック 牡3
35,045万円
6 ジャンタルマンタル 牡3
32,053万円
7 ステレンボッシュ 牝3
31,177万円
8 アスコリピチェーノ 牝3
26,322万円
9 コスモキュランダ 牡3
17,620万円
10 シックスペンス 牡3
14,087万円
» もっと見る