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福永祐一独占手記!コントレイルで皐月賞初V「底が見えない馬」

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福永祐一独占手記!コントレイルで皐月賞初V「底が見えない馬」

 中央競馬のクラシック3冠初戦の皐月賞が19日、中山競馬場で18頭によって行われ、コントレイル(栗東・矢作芳人厩舎、牡3歳)がホープフルSに続くGI2勝目を挙げた。騎乗した福永祐一騎手(43)=栗東・フリー=は皐月賞19度目の挑戦で初制覇。史上11人目のクラシック競走完全制覇を成し遂げた。2冠がかかる、日本ダービー(5月31日、東京、GI、芝2400メートル)へ夢が広がる胸の内を、独占手記として寄せた。

 ◇

 まずは、多くの方をヒヤヒヤさせるレースになって申し訳ありませんでした(苦笑)。スタートは良かったのですが、いつものような前進気勢が見られず、2コーナーを回るときには後方のポジションに。“これは大変なことになったな”と思いましたが、“きょうはコントレイルの力を信じよう。それだけはブレずに騎乗しよう”と思っていました。その思いに、本当によく応えてくれました。

 4コーナーで馬群の外から上がっていく脚は、本当にすごかったです。お父さんのディープインパクトをほうふつとさせる走りでしたね。ディープのように最後は突き放せませんでしたが、3戦3勝でGIを勝っていたサリオスもさすがに強かったです。

 また、直線で右にもたれる面を見せたホープフルSとは反対に、最後は外に逃げ気味でしたが、それでも押し切ってくれたのは大したもの。この中間に牧場、厩舎がしっかり調整してくれて走り方が良くなり、素晴らしい脚を使えるようになっていました。まだまだ良くなる余地があって、いい意味で底が見えない馬です。

 多くのいい馬に乗せていただき、クラシックをすべて勝つことができました。くしくも、日本ダービーと同じ19度目での皐月賞制覇。これまで2着が4回と悔しい思いをたくさんして、“もっとうまく乗れていれば”と後悔したことも、完璧に乗っても勝てなかったこともありました。

 その中で、ノースヒルズの前田幸治代表が携わる馬で達成できた喜びは大きいです。新人のころ、北村の叔父さん(北村卓士元騎手)に北海道のノースヒルズに連れて行ってもらったことがきっかけで、ずっと応援していただいています。昨年12月に他界した叔父が作ってくれた大事な縁。きっと天国でこの勝利を喜んでくれていると思います。

 前田幸治代表からは「一緒に日本ダービーを勝とう!!」という声かけをずっとしていただいています。2007年のオークスローブデコルテで勝ちましたが、17年のクラシックをともに戦ったカデナでは果たせませんでした。今年のパートナーがコントレイルに決まったときから特別な思いを抱いていましたし、“今回こそ”という思いは強いです。きょうはダービーを意識したレースではありませんでしたが、結果的に距離が延びて良さそうな内容で、次がとても楽しみになりました。

 無観客開催になって初めてだったGIのウイニングランは、やはりいつものそれとは違うものでした。多くの方に競馬場で見てほしいと思うマッチレースでしたし、改めて、競馬はお客さんがいてこそ完成されるものだと感じました。一日も早く、いつも通りの競馬場の風景が戻ってくるように願っています。そして、騎手としてできることに全力で努め、気を引き締めて日本ダービーに臨みます。 (JRA騎手)

福永祐一(ふくなが・ゆういち) 1976(昭和51)年12月9日生まれ、43歳。滋賀県出身。栗東・北橋厩舎所属で96年3月にデビュー。同年53勝を挙げ最多勝利新人騎手に輝く。2011、13年にJRAリーディングを獲得。JRA通算2293勝、JRA重賞はGI26勝を含む138勝。妻は元フジテレビアナウンサーの松尾翠。1メートル60、52キロ。血液型B。

★洋一さんと親子制覇…福永騎手の父は、伝説的な名騎手で2004年に競馬の殿堂(騎手顕彰者)入りした洋一さん(71)。1979年の落馬事故で引退(81年)を余儀なくされたが、クラシックレースは71年菊花賞(ニホンピロムーテー)、77年桜花賞(インターグロリア)、同皐月賞(ハードバージ)、78年桜花賞(オヤマテスコ)を優勝。9年連続で年間最多勝に輝くなど通算983勝を挙げた。祐一騎手とは、桜花賞菊花賞に続く親子制覇となった。

★クラシックレース…近代競馬発祥の地、英国のレース体系を参考に、牡馬(牝馬も出走可能)の皐月賞日本ダービー菊花賞、牝馬の桜花賞オークスの5レースで構成される。他の大レースは事前登録が2週前の1回に対し、クラシックは第1回が2歳10月(登録料1万円)、第2回が3歳1月(同3万円)、最終登録がレース2週前(同36万円)と早期から登録を重ねていくのが特徴。その総額は付加賞として1着に7割、2着に2割、3着に1割が交付。今回は総額3519万円で、1着馬には2463万3000円が交付される。

★レースVTR…前半1000メートル通過は59秒8と稍重馬場を考えればやや速め。最内枠のコントレイルは馬場を気にしてか、行きっぷりがよくなく中団後方の内を進む。3コーナー過ぎにようやくエンジンがかかり、馬群の外へ持ち出す。抜群の手応えで4コーナーでは先頭集団の外へ。直線では4番手を進み内から伸びたサリオスと一騎打ち。無敗のGI馬2頭の200メートルにわたる叩き合いを半馬身差で制した。

★北村卓士(きたむら・たかし)元騎手…福永騎手の母・裕美子さんの弟で、元JRA騎手。1982年にデビューし、落馬事故の影響で2000年に引退するまでに障害重賞4勝を含む通算114勝を挙げた。昨年12月18日に病気のため63歳で亡くなった。

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