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ジャパンカップはイクイノックスが人気に応えて完勝。スタートからゴールまで、まったく隙のない勝利でG1・6連勝を飾った。中山でも、阪神でも、海外でもまったく崩れなかったイクイノックスにとって唯一の不安といえば中3週のローテーションだったが、それもすべて杞憂だったということ。
さて、その後の動向に注目が集まったが、さる木曜日に引退→種牡馬入りが発表された。有馬記念に出てきてくれるならば久々の秋G1・3冠が楽しみでもあったが、出て来ないのであれば、それはそれで無事の種牡馬入りを喜び、同時に有馬記念は混戦になり予想の面では面白くなる。個人的にはどちらでも楽しみだなぁと思って続報を待っていたが、連戦の疲れも考慮し、無理する局面ではなかったということだろう。月並みではあるが、産駒のデビューを楽しみに待ちたい。
それにしても、サンデーサイレンスの血がブラックタイドからキタサンブラック、そしてイクイノックスと繋がっていくことに競馬の面白さを感じる。ブラックタイドは言うまでもなくディープインパクトのひとつ年上の同血兄になるわけだが、現役時のパフォーマンスは派手に追い込んだスプリングSの勝利があるくらいで、どちらかといえば人気や期待が先行した存在だった。それが、種牡馬として数少ない可能性の中からキタサンブラックを輩出し、そのキタサンブラックの初年度産駒が世界最強馬にまで上り詰めるのだからおもしろい。
また、名馬の引退は時に喪失感も覚えるかもしれないが、その点は問題ない。今の日本競馬のレベルならば、イクイノックス級の名馬は3~5年に1頭くらいは出現すると考えていいだろう。
こんなことをいうと、
「いやいや、世界最強馬で、史上最強クラスの名馬、そう簡単には現れない」
「数10年に1頭の存在だ」
とでも言われそうだが、少なくとも令和を跨いだ馬だけを見渡しても、G1・8勝のアーモンドアイ、無敗の3冠馬コントレイルなどが出現しているし、ダートに目を転じてもドバイを制したウシュバテソーロ、BCディスタフを制したマルシュロレーヌなど、続々と超一線級が出現している。それだけ今の日本競馬は血統面、調整面含めて総合的にレベルが上がっている上に、使うレース数も減っているので、無敗や、それに準ずる成績で圧倒的なパフォーマンスを見せる大物が登場しやすくなっている。かつてなら何割かは故障で離脱するようなケースもあったかもしれないが、今はそういったことも肌感覚レベルにはなるが減っているように思える。
もちろんそれは現場の多くの馬に携わる方の不断の努力によって成し得ていることなので、結果だけを見て今後も同じように続くと簡単に言い切れるものではないかもしれない。だが少なくとも出てきている結果だけを見るならば、今後も同じクラスの名馬が一定スパンの間に出現すると考えるのが自然だろう。
イクイノックス、お疲れ様。そして、また新たな名馬の出現を楽しみに待ちたい。
それでは今週末の注目馬を。
~今週末の注目馬~
今週末はチャンピオンズカップから。
・テーオーケインズ(松山弘平騎手)
注目はテーオーケインズ&松山弘平騎手。
JBCクラシックは伸び切れなかったが、新しい大井の馬場も合わなかったのかもしれい。道中は少し力みも見られた。もともとベテランが強いダート路線で、まだまだ衰えを心配する段階ではない。昨年は断然人気で4着に敗れたが、今年は内枠を引けたのも好材料。巻き返しに期待したい。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
栃木県出身、競馬予想家。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)など著書多数。最新刊は『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)。
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