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第27回根岸S(27日、東京11R、GIII、4歳上オープン国際(指)、別定、ダ1400メートル、1着本賞金3500万円 =出走16頭)藤岡佑介騎乗、5番人気のメイショウマシュウが後方から強襲。馬群を割って抜け出し、1番人気のガンジスをハナ差かわして、重賞初制覇を成し遂げた。タイムは1分23秒7(良)。5歳ながらキャリアはわずか12戦(6勝)と良化の余地を残す素質馬で、出走してくればフェブラリーS(2月17日、東京、GI、ダ1600メートル)でも侮れない存在となりそうだ。3着には10番人気のセイクリムズンが入った。
戦国ダート界に新星が登場した。重賞初挑戦のメイショウマシュウが、強烈な追い込みでライバルを一刀両断。GI戦線へ名乗りをあげた。
「夢中で追ったので、届いているかどうかわかりませんでした。よく差し切ってくれましたね」
藤岡佑介騎手が相棒のの首を叩いてねぎらう。初コンビとは思えない息のあった騎乗だった。序盤は慌てずに15番手を追走。直線で馬群を割りながら、末脚を爆発させ、1番人気のガンジスをハナ差かわした。メンバー最速の上がり3ハロン34秒6という破壊力に加え、勝負強さも目立った。
「しまいが切れるので(道中は)いたずらに動かない方がいいと思ってました。ハミをとってからは素晴らしい伸びでした」と鞍上はマシュウを絶賛。昨年の根岸Sは弟の康太がシルクフォーチュンで勝っており、藤岡の兄弟連覇というおまけも付いた。
「うまくいきましたね。最初は京都のすばるS(2月2日、OP、ダ1400メートル)に照準を合わせたのですが、抽選で(根岸Sに)出走できる可能性がある。予定よりも強い追い切りをかけて、出走に踏み切りました」と沖芳夫調教師。果敢に攻めた好判断が光った。
マシュウの曽祖母オオシマスズラン(京都4歳特別)は、師が大久保石松厩舎の調教助手時代に携わった。思い入れ深い血統が、2002年京都大賞典(ナリタトップロード)以来、10年3カ月ぶりのJRA重賞Vという美酒を運んできた。
前哨戦を制しただけに、フェブラリーSが当然、視野に入ってくる。「マイルは以前から使ってみたかった。まだまだ伸びしろがあるし、オーナーと相談します」と沖調教師は前向きだ。
充実一途で勢いに乗るメイショウマシュウが、GIでも大仕事をやってのけるか。今後も目が離せない。 (森田実)
【メイショウマシュウ】父アドマイヤマックス、母オオシマパンジー、母の父スキャン。黒鹿毛の牡5歳。栗東・沖芳夫厩舎所属。北海道浦河町の大島牧場の生産馬で、馬主は松本好雄氏。戦績12戦6勝。獲得賞金は1億1697万8000円。重賞初勝利。根岸Sは沖芳夫調教師、藤岡佑介騎手ともに初勝利。
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