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第56回きさらぎ賞(7日、京都11R、GIII、3歳オープン国際(特指)、別定、芝・外1800メートル、1着本賞金3800万円 =出走9頭)クリストフ・ルメール騎乗で1番人気のサトノダイヤモンドが、鋭い末脚で差し切って3馬身半差の完勝。デビューから無傷の3連勝で重賞初勝利を飾り、クラシック1冠目の皐月賞(4月17日、中山、GI、芝2000メートル)に向けて大きく羽ばたいた。タイム1分46秒9(良)はレースレコードだった。2着はレプランシュ。“5億円対決”で注目を集めた2番人気のロイカバードは3着。3頭出走したディープインパクト産駒が3着までを独占した。
1頭だけ輝きが違った。サトノダイヤモンドが、モノの違いを見せつけて重賞初勝利。あまりの強さにルメール騎手の頬は緩みっぱなしだ。
「超うれしいですね。レースごとによくなっている。ペースがよかったからいい感じで運べて、4コーナーからの反応がよかった。最後の直線もすごい脚だった」
非の打ちどころがないレースだ。道中は5番手で折り合い、楽な手応えのまま最後の直線へ。軽くうながされただけでストライドを伸ばして一気に加速し、残り200メートルで先頭に立ってからは独走。ノーステッキで勝ち上がった過去2戦を踏まえ、左ムチを1発入れて反応を確かめる余裕さえあった。
後続に3馬身半差をつけ、勝ち時計1分46秒9は2012年ワールドエースの記録を0秒1更新するレースレコード(現在の施行条件になった1991年以降)。鞍上は「ムチは1回だけ使ったけど、いらなかったね。(競り合いになる)ライバルがいなかったから、フルパワーじゃなかった」と涼しい顔で振り返った。
池江調教師も「コーナー2つ、距離短縮がどうかと思っていたけど、懸念材料をすべてクリアしてくれた。ムチを入れても真っすぐ走れていた。この時期にしては珍しい。優等生で、メジロマックイーンみたいだね」と、GI4勝馬を例に挙げてたたえた。
注目を集めていた“5億円対決”でも連勝だ。13年セレクトセール当歳の落札額は2位の2億4150万円(税込み)だったが、新馬戦に続いて最高額のロイカバードを圧倒。前哨戦を使うかは未定も、放牧を挟んで意気揚々と皐月賞に向かう。トレーナーは「ダービー(5月29日、東京、GI、芝2400メートル)でピークに持っていけるようにしたい」と先をにらむが、もちろんクラシック初戦からも主役を担える存在だ。
ルメール騎手は「GIレベルにあるから楽しみ。乗りやすいから、距離は2000メートルでも2400メートルでも問題ない」と力を込めた。無傷の3連勝を飾ったサトノダイヤモンドは、大舞台でさらなる輝きを放ちそうだ。 (川端亮平)
★7日京都11R「きさらぎ賞」の着順&払戻金はこちら
サトノダイヤモンド 父ディープインパクト、母マルペンサ、母の父オーペン。鹿毛の牡3歳。栗東・池江泰寿厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は里見治氏。戦績3戦3勝。獲得賞金5252万9000円。重賞初勝利。きさらぎ賞は、池江泰寿調教師が2012年ワールドエース、14年トーセンスターダムに次いで3勝目、クリストフ・ルメール騎手は初勝利。馬名の意味は「冠名+ダイヤモンド。額の星の形から連想」。
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