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関西の舞台は京都から阪神に舞台を移し、日曜メーンにジャパンCダートが行われる。残念ながら外国馬の参戦はないが、GI9勝のヴァーミリアンとシリウスS優勝馬キングスエンブレムの兄弟対決が大きな焦点になる。ダート界を支えてきた兄に、勢いのある弟が挑む一戦に注目だ。
兄の実績が勝るのか、それとも弟の勢いが上回るのか。ヴァーミリアンとキングスエンブレムが、日本ダート界の頂点を決める戦いで、兄弟対決の時を迎えた。
日本記録となるGI9勝の兄ヴァーミリアンは、まだ東京の2100メートルが舞台だった07年のJCダートをレコードタイムでV。JBCクラシック3連覇(07~09年)など、不滅の金字塔を打ち立ててきた。今回は帝王賞9着後、JBCクラシックはパスして、このJCダートでのGI10勝目を目標にしてきた。
弟のキングスエンブレムは4歳春からダート路線を歩み、11カ月の休養などがあって出世が遅れたが、9月にオークランドRCTを勝ってオープン入りすると、続くGIIIシリウスSで重賞初制覇。さらに新設のGIIIみやこSではトランセンドに逃げ切りを許したが、中団から末脚を伸ばして2着は確保した。
「兄弟でもタイプがまったく違う。迫力がある兄に対して、弟はスマート。若さと勢いのあるエンブレムにも期待しているけど、兄も実績があるからね。まだまだやれると思う」
兄弟を管理する石坂調教師にとっては、どちらにも勝ってほしいというのが本音だろうが、そこは勝負の世界。同着にでもならない限り、勝敗は決する。
ヴァーミリアンのGI9勝のうち、8勝している武豊騎手は、先週のジャパンCをローズキングダムで繰り上がりとはいえV。23年連続JRA・GI勝利の記録を更新する運を持っている。「弟も強くなっているけど、今まで戦ってきた相手を考えれば、まだまだ兄の方が上」という弟にも騎乗しているユタカに対し、エンブレムには関西リーディングのトップを走り、先週、JRA通算1200勝と年間100勝を達成した勢いがある福永騎手が鞍上。「どちらも乗っているけど、弟の方が素軽いね。スムーズなら力を出せますよ」と一歩も譲る気配はない。
ヴァーミリアンにとっては06年のフェブラリーSで兄のサカラートに先着してから、ダート重賞路線での快進撃が始まった。今度は弟を迎え撃つ戦い。この兄弟対決から目が離せない。
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