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1週間の密着取材で勝ち馬を探り出す恒例のGI企画「東西現場記者走る」。スプリンターズステークス(10月4日、中山、芝1200メートル)は、東京サンスポの柴田章利記者(43)が担当する。2日目のターゲットは函館スプリントSを鮮やかに差し切ったティーハーフ。今年からコンビを組む国分優作騎手(24)に迫った。
まん丸くて大きなスーパームーンが姿を消して、太陽が昇ると、栗東トレセンの気温は一気に上昇していった。そんな中、国分優作騎手を探して、自転車でトレセン内を駆け回った。今年からティーハーフとコンビを組むようになって6戦してすべて3着以内という安定感。3連勝で函館スプリントSも制しているこのコンビ結成で、どんな化学反応が起こったのだろう。
「単純に馬の成長だと思います。デビュー前から調教に携わってきましたが、僕がレースで乗れるような馬じゃない、と思っていました。でも(武)豊さんが乗っているのを見て、こういう馬はこう乗るんだとか、自分ならどう乗るか。(レースに騎乗できない時期は)勉強の時間になりました」
調教で馬の個性を把握し、先輩の騎乗で勉強したことが今年の好成績につながっている。それだけに前走のキーンランドCでの敗戦を悔やんでいた。
「前があいたところを突けば伸びると思って悠長に構えていました。結果的に伸び負け。函館スプリントSのように惰性をつけて、気持ちよく上がっていった方がいいですね」
負けても乗せ続けてもらえることで、反省を生かす舞台がある。ジョッキーは厩舎関係者に感謝する。
「今回は脚がたまったらペースに関係なくGOサインを出します。ゴール前で差し返されたら仕方ない。それで負けたら僕の運。行くと決めたら行きます」
美浦所属でデビューしながら、なかなか結果が出ずに栗東に移籍した苦労人は、これがGI4度目の騎乗。「プレッシャーはない。それより(勝って)西浦先生の笑顔が見たいです」と、チャンスをくれた調教師のため、気合が入る。
年とともに涙腺が緩くなっている記者は、こういう人情話に弱いのだ。ゴール前、「差せ! 差せ!」と、ティーハーフを大声で応援したい気持ちになってきた。(柴田章利)
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