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春の柔らかい日差しを受けながら、CWコースで青鹿毛の馬体が躍動した。昨年の日本ダービー馬キズナが、単走でラスト1ハロン11秒8(6ハロン80秒1)と抜群の伸びでフィニッシュ。またがった武豊騎手が、笑顔で好感触を伝えた。
「さすがキズナ。馬場はボコボコしていたけど時計も速かったし、いい追い切りだったね。(前回乗った19日より)きょうの方が動きがいいし、息遣いもよくなっている」。坂路で4ハロン68秒2を乗った後、CWコースに登場した。道中は馬なりながらチップを巻き上げるパワフルな走り。直線で肩ムチが入ると、ゴール前で加速し一気に駆け抜けた。
昨秋は、凱旋門賞で4着。帰国後の有馬記念は、体調が整わずにパスし放牧で立て直し、2月19日に帰厩。始動戦をここに定めて、しっかりと調教を積んだ。
「本当に迫力があって、さすがダービー馬という動きだった。全体的にパワーアップしている。凱旋門賞のときに完成したかなと思ったけど、また成長しているね。描いていた以上」と佐々木調教師は目を見張った。
このデキなら同世代のGI3勝牝馬メイショウマンボ、菊花賞馬エピファネイアとの豪華競演で、日本ダービー以上の走りを見せてくれそうだ。「相当、お客さんも来てくれると思うし、楽しみ。こっちが思っている以上のレースになれば最高ですね」と武豊騎手も心待ちにしている。
今後は天皇賞・春(5月4日、京都、GI、芝3200メートル)、宝塚記念(6月29日、阪神、GI、芝2200メートル)で国内最強を証明して、秋にはリベンジを期す凱旋門賞(10月5日、仏ロンシャン、GI、芝2400メートル)に挑戦予定。「最優秀3歳牡馬をもらっているし、それを汚したくはない。一戦一戦が本番だと思っている」とトレーナー。悲願達成へ、まずは目の前の一戦に全力を尽くす。(渡部陽之助)
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