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【皐月賞2024】キーホース診断 怪物か?それとも稀代の癖馬か? 毎日杯圧勝のメイショウタバルを考える

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【皐月賞2024】キーホース診断 怪物か?それとも稀代の癖馬か? 毎日杯圧勝のメイショウタバルを考える


メイショウタバル

古くから出世レースとして名高い毎日杯皐月賞の最終便という役割を持つだけでなく、その先の日本ダービーにも繋がることが多い重要ステップだ。

近10年ほどの勝ち馬を振り返っても、シャフリヤールブラストワンピースアルアインの3頭が後にG1を制しており、依然としてその存在感は健在だ。


そして今年、このレースを制したのはメイショウタバル


無敗でシンザン記念を制していたノーブルロジャーと、デビュー戦で非常に強い勝ち方を見せた素質馬ニュージーズの影に隠れるような人気だったが、それを嘲笑うように圧巻の逃走劇を演じて見せたのだ。

この日は重馬場発表だったが、走破タイムは1分46秒0。これは近10年の中では2番目の速さ。馬場状態を踏まえると驚異的と言える時計だが、皐月賞を考える上でこの結果をどう見るかは評価が分かれるところだろう。誰もが欲しいクラシック初戦において、彼はどんな走りを見せるのか。いつも通りに各要素から掘り下げていきたい。


まず指数面だが、毎日杯で刻んだ指数は破格で、歴代の同レースの中でも抜けて高い。単純な数字だけならば超G1級と評価できてしまうほどだ。

しかし種類にもよるが、指数は馬場状態に大きく左右されやすい。前述の通り毎日杯は重馬場で、各馬の走りを見ても巧拙がかなり分かれる状態であったのは間違いない。本馬は非常に前進気勢の強い走りな上、重馬場を苦にしないことで知られるゴールドシップ産駒。他馬よりも馬場適性は高そうだったし、馬場の良いところを選べる逃げ戦法も有利だった。好条件が重なっての高指数である可能性は高そうで、能力を正確に表したものとは言えないかもしれない。


とは言え、重馬場の中で前半1000mを59秒6で逃げて上がり最速。後半のラップには10秒台もあるという内容は、良い意味で異様。

2走前のつばき賞も、前半力んで先行していた時にマクられ、それに呼応してハナを奪取するという、かなり強引な走り。並の馬ならば完全に潰れそうなレース運びでも最後まで大きくラップを落とさずに押し切ったように、身体能力の高さは底知れないものがある。皐月賞においてもストレートに能力が発揮されるような形に持ち込んでくるならば、前走の再現があっても不思議ないとも思えるのだ。


だが、本馬は自身の気性という爆弾を抱える。調教においてもレースにおいても前へ前へという意識がかなり強く、お世辞にも距離延長がプラスとなるタイプには映らない。

スムーズな単騎逃げが叶った前走以外の指数はそれほど高くないため、他馬の出方次第では自滅に近い形で沈む可能性も高そう。圧勝か惨敗かというタイプで、狙う時には腹を括る必要がありそうだ。



こうした癖のある気性は血統由来のものか。

母のメイショウツバクロはダート短距離でハナを切れるような馬だったし、父ゴールドシップの産駒は極端に後ろ向きか、極端に前向きか、馬によってはっきりと分かれるイメージ。本馬は完全に後者のパターンだろう。

前走で示した重馬場適性から、父の血の影響はそれなりに強そうだが、ステイヤー寄りだった父よりも気性の影響で適性距離は短くなっている印象が強い。2000mをこなせるかどうかは展開にかなり左右されることになりそうだ。


調教ではコース追いで自己ベストをマークするなど、引き続き体調はかなり良さそうだが、強過ぎる前進気勢は相変わらずで、しっかりと抑えが利いているようには映らない。フィジカル面の強さはありつつ、危ういメンタル面はそのままに本番へ臨むことになりそうだ。

同型に近いホウオウプロサンゲアレグロブリランテだけでなく、マクる脚のあるコスモキュランダサンライズアース等、本馬のリズムを乱す可能性のある馬は多い。こうした存在を抑えた上で、末脚自慢の馬たちの追撃も振り切ることができるかどうか。もしここでも敢然とハナを切り、前走同様の圧勝を決めるようなことがあれば、これはもう怪物認定せざるを得ない。

本馬が怪物なのか、稀代の癖馬なのか、明らかになるまでもう少しだ。

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