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週末に行われる中央重賞の過去の優勝馬をピックアップして回顧し、競馬の長い歴史の狭間できらめいた馬を紹介する「中央重賞懐古的回顧」。第33回は1990年マイルCS優勝馬パッシングショットを取り上げる。
「トウショウボーイ産駒の中央G1馬全6頭を挙げよ(グレード制以降)」という問いがあったとしよう。ちなみにダイゼンキングはグレード制施行以前の阪神3歳S勝ち馬だから除外する。そうなるとまず浮かぶのは1984年に秋天勝ちのあるミスターシービー。次は『ウマ娘』で存在を再認識されたダイイチルビーか、あるいは馬名からの連想も加味してシスタートウショウ。それに続くのはサクラホクトオーだろうか。最後にアラホウトクを絞り出したとして…恐らくなかなかソラでは浮かばないであろう“あと1頭”がパッシングショットである。
母タカヨシピット(9戦連続2着のJRA記録を持つ)由来なのか確かな末脚を持ちながらも勝ち切れなかったが、5歳にして本格化。ベテラン楠孝志騎手をパートナーにして、1990年6月のCBC賞をコースレコードで、そして同年秋にはマイルCSを1分33秒6のレースレコードでぶっこ抜いた。彼女には同い年のバンブーメモリーという好敵手がいたが、後発のダイタクヘリオス&ダイイチルビーのように“ロマンス”がクローズアップされることは残念ながら無かった。言わば世間的に地味な組み合わせだったのだ。
競馬ブーム期に身を置きながら地味な存在だったが、パッシングショットの実力は折り紙つきであった。小回りの中京を上手に立ち回り、バンブーメモリーよりワンテンポ早く仕掛けた上で鋭く伸びたCBC賞の内容も出色モノだが、唯一のG1タイトルであるマイルCSの絵面も凄い。
7番枠から出負けして馬群の後ろで待機する形になったが、掛かり癖のあるパッシングショットはまず折り合いが肝要。それがナルシスノワールが引っ張った結果展開が流れて、パッシングショットは内で上手く溜めることができた。淀の坂の下りから楠騎手は大外へと持ち出して追撃態勢に。同じ頃、人気のバンブーメモリーは馬群を割ろうと必死にもがく。残り150mほどでようやくバンブーメモリーが抜け出そうとした瞬間、外からパッシングショットが物凄い脚で一閃。単勝10番人気の低評価を見事覆した。
デビュー22年目にしてこれがG1初制覇となった楠騎手は「まだG1を勝ったという実感が沸いてこないんだよ」と遠慮がちに笑った。バンブーメモリーも末脚自慢の強豪であったが、ハマった際のパッシングショットの豪脚はその上を行った。歳を重ねるに連れて腰の甘さが抜けていった辺りがいかにもトウショウボーイ産駒らしい。
引退レースのスプリンターズSではバンブーメモリーとともに単枠指定されたが、ゲート入り時に暴れたことでコロンとした体型の楠騎手がコロリと転げ落ちるアクシデント。そしてスタートで大きく立ち遅れて競馬にならず、ラストチャンスはふいになった。初代スプリント王者に輝いたバンブーメモリーがマークした上がりは推定34秒5だが、猛然と追い込むも8着に敗れたパッシングショットは33秒6。インパクト抜群の最後っ屁をかまして、猛女パッシングショットはターフを去っていった。なんとも粋な女であった。
パッシングショット
牝 鹿毛 1985年生
父トウショウボーイ 母タカヨシピット 母父ネヴァービート
競走成績:中央27戦5勝
主な勝ち鞍:マイルCS CBC賞
(文・古橋うなぎ)
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