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【東京新聞杯】イルーシヴパンサー4連勝でイッキ重賞初V

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【東京新聞杯】イルーシヴパンサー4連勝でイッキ重賞初V

 田辺騎乗の4番人気イルーシヴパンサーが、直線外からメンバー最速の3ハロン33秒1の末脚で差し切り勝ち。1勝クラスから一気の4連勝で重賞初制覇を飾った。今後は安田記念(6月5日、東京、GI、芝1600メートル)が目標になる。2着に1番人気ファインルージュが入り、昨年の勝ち馬カラテは3着だった。

 成長著しい4歳馬の勢いが止まらない。イルーシヴパンサーが1勝クラスから4連勝で初の重賞タイトルをゲット。上がり3ハロン33秒1の豪脚で直線一気に突き抜けたパフォーマンスは、乗っていた田辺騎手も驚くほどだった。

 「びっくりしました。自己条件から仕切り直して連勝してきて、どれくらいやれるかと思っていましたが、あんなにあっさり差し切ってくれるとは…」

 後方2番手の位置取りは決してプラン通りではなかった。鞍上は中団での競馬も考えたが、「折り合いに課題がある馬だし、馬のリズムを一番に考えた。スタートからペースも淡々と流れていたので、深追いしないように」と流れを読んでの後方待機。直線で外へ持ち出してからの加速力は桁違いで、2着のファインルージュに1馬身3/4差をつける完勝だ。

 管理する久保田調教師は昨年の皐月賞(10着)以来の重賞挑戦とあって今まで以上に意欲的な調教を施してきた。その結果が、キャリア最大着差での完勝劇。「すごい切れ味」と想像を超える走りを見せた愛馬に脱帽した。その一方でトレーナーには別の思いも。3着カラテの高橋祥調教師とは師弟関係で、今月いっぱいで定年の師匠との勝負を振り返り、「高橋先生と重賞で最後にいい勝負ができたというのは、やはり思うところがあるね。先生の意思をつないでいきたい」と感慨深げに語った。

 次に見据えるのはもちろんGI。今回と同じ舞台の安田記念を目標に、直行かレースを挟むかは今後決められる。久保田師が「この春は目標のレースに堂々と行きたい」と言えば、コンビ4戦4勝とした田辺騎手も「一戦ごとに成長を感じる。一線級の相手と戦えるようになったし、本当の勝負はこれから」と気を引き締める。

 条件戦から地道に力をつけてきた新星イルーシヴパンサーがこの春、一気にマイル界の頂点を取りに行く。(板津雄志)

 ■イルーシヴパンサー 父ハーツクライ、母イルーシヴキャット、母の父キングカメハメハ。黒鹿毛の牡4歳。美浦・久保田貴士厩舎所属。北海道安平町・追分ファームの生産馬。馬主は草間庸文氏。戦績9戦5勝。獲得賞金1億612万4000円。重賞は初勝利。東京新聞杯久保田貴士調教師、田辺裕信騎手ともに初勝利。馬名は「母名の一部+豹」。

★6日東京11R「東京新聞杯」の着順&払戻金はこちら

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