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日本競馬界のレジェンドに、また新たな勲章が加わった。令和元年度スポーツ功労者の顕彰式が27日、東京都千代田区の文部科学省で行われ、競馬界から武豊騎手(51)=栗・フリー=と中村均元調教師(71)が出席。現役ジョッキーで初の受賞に、武騎手は笑顔で喜びを語った。
走り続けるスーパーホースマンに、名誉ある勲章が届けられた。長年にわたってスポーツの向上、発展に貢献したプレーヤーに贈られる「令和元年度スポーツ功労者顕彰(プロスポーツ関係者)」に、現役ジョッキーとして初めて武豊騎手が選ばれた。
この日、顕彰式の会場に濃紺のスーツ姿で登場した武騎手は、萩生田文科大臣から顕彰状と記念の銀杯を授与され「多くの方々、そして馬たちに支えられて、このような名誉な賞をいただき、心から光栄に思います。以前は最年少、最近は最年長と言われることが多くなったが、こういう年になってもやれることをみせていきたい」と壇上で喜びを語った。
競馬関係者では1992年の保田隆芳氏以来、過去13人が顕彰され、騎手としては岡部幸雄氏が引退後の2005年に選出されているが、現役では初の偉業。一昨年に前人未到のJRA4000勝を達成するなど、デビューから34年にわたってプロとしての活躍を続けたことが評価された。
今回、ともに顕彰者に選ばれた中村均元調教師は、武騎手自身が重賞初勝利(87年京都大賞典)を決めたトウカイローマンを管理していた。縁の深い間柄だということに触れると「中村先生と一緒にもらえて本当に光栄。勝ったときはうれしかったし覚えているけど、もう昭和の話だね」と新人時代を懐かしんだ。
支えてくれた多くの馬たちにも、感謝を惜しまない。中でも最強のパートナーだったディープインパクトはこの世を去って、この30日で丸1年になる。「セレクトセールでも当歳馬はいなかったし、改めて存在の大きさを実感した」と名馬をしのびながら「いつかディープを超えるような馬と巡り合いたい。キズナの子も走っているし、(ディープインパクト、キズナに続く)3代ダービー制覇、やってみたいよね」と大きな夢があることを明かした。
あと5勝に迫ったJRA4200勝の節目に向け、今週は札幌で騎乗する。新たな勲章を手にしたレジェンドが、これからも日本の競馬界をリードしていく。 (内海裕介)
■武豊(たけ・ゆたか) 1969(昭和44)年3月15日生まれ、51歳。京都府出身。87年にデビュー。メジロマックイーン、ディープインパクトなど数々の名馬に騎乗した。父は武邦彦元騎手、元調教師、弟の武幸四郎も元騎手で現調教師。JRA通算2万2463戦4195勝、うち重賞はGI77勝を含む340勝(27日現在)。
★スポーツ功労者顕彰…日本のスポーツ振興に関し、特に功績が顕著な人に対し、スポーツ庁から贈られる。競馬関係者からは今回の2人を含め、15人が選出されている。当初、顕彰者発表と顕彰式は3月に予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7月に延期して行われた。
★武豊のJRA賞 ★最多勝利新人騎手 1987年受賞。同年は69勝をマークし、当時の新人騎手最多勝記録を更新する。
★最多勝利騎手 89年に初受賞。90年に2年連続受賞。以降92~2000年まで9年連続、02~08年まで7年連続の計18回受賞。
★最高勝率騎手 94年に初受賞。以降97~00年まで4年連続、02~06年まで5年連続、08年にも受賞し計11回受賞。
★最多賞金獲得騎手 89年に初受賞。以降90、93年、95~00年、02~07年、09年の計16回受賞。
★騎手大賞 最多勝利、最高勝率、最多賞金獲得の3部門独占は97年が初めてで、同年初受賞。同タイトル歴代最多の9回獲得。
★特別賞 07、13年に受賞。
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