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中央競馬の暮れの大一番、有馬記念の追い切りが18日に茨城・美浦トレセンで行われ、ファン投票1位のGI6勝馬アーモンドアイ(美浦・国枝栄、牝4歳)が切れのある動きで態勢を整えた。濃霧のためタイムは計測できなかったが、併せ馬で3馬身先着。手応えの良さに騎乗したクリストフ・ルメール騎手(40)から「勝つ自信があります」と勝利宣言が飛び出した。枠順は19日、公開抽選で決まる。
乳白色の濃い霧に包まれた幻想的な調教コースに、最強の女王が飛び出してきた。GI馬11頭の超豪華版グランプリの主演女優は、やっぱりアーモンドアイ。一切の不安を打ち消す走りで、万全の姿を見せた。
「動きはとてもよかった。彼女は走りたい気持ちになっています。コンディションがよさそうで、うれしい。ファンのみなさんは、有馬記念でアーモンドアイが見られてラッキーです!」
先週に続いて調教に騎乗したルメール騎手の表情は緩みっぱなし。それだけで、体調の良さが伝わってくる。
この日の美浦トレーニングセンターは、数メートルしか視界が利かないほどの濃霧。いつ来るか、いつ来るかと、誰もが待ち構える中、ゴールへ向けて有馬記念の特殊ゼッケン53番がまっしぐらに走り抜けていく。併せたノチェブランカ(3勝クラス)は3馬身後ろ。馬なりで楽々と突き放していった。
見守った国枝調教師は「先週と同じように5ハロンで66秒ぐらい。あいにくの霧だけど、しまいの動きはよかったね」と満足げな表情だ。ルメールも「2馬身ぐらい追いかけて、4コーナーでは並びかけました。直線ですぐに追い抜いたし、余裕で走ってくれました」と好調を実感したようだ。
香港カップを発熱で取りやめた影響は皆無。仕切り直しの有馬記念で女王の存在感を示したいが、今回は初めての中山コースで、ライバルもGI馬がゴロゴロいる。
「有馬記念はいいコンディションでいけます。中山は直線が短いですから、3~4コーナーでいいポジションを取らなければいけない。スムーズさが必要ですね。でも彼女に関しては、まったく心配していません」
コーナー6回のトリッキーなコースでも、ジョッキーは全幅の信頼を置く。強敵ばかりでも「有馬記念ですからね。いつだって難しい。アーモンドアイにとっても大きなチャレンジです。でも、いつ乗っても彼女にはビッグチャンスがある。勝つ自信があります」と力強く勝利宣言した。
あとは、19日の枠順抽選とゲートインを待つばかり。ルメールは「一番内と一番外は嫌ですね。ほかのナンバーなら問題ない」と枠順はそれほど気にしていない。
現役最強から史上最強の女王になるか。歴代最多タイのGI7勝目へ-。この日の濃霧とは裏腹に、有馬Vへの視界はくっきりと開けている。 (柴田章利)
★勝てば2年連続最多賞金
アーモンドアイは昨年、GI4勝を挙げてJRA年間最多賞金獲得馬(7億1242万3000円)となった。今年のJRAでの獲得賞金は1億8188万8000円で、有馬記念(1着賞金3億円)を勝てば、2年連続のJRA年間最多賞金獲得馬に輝く。また、2着賞金1億2000万円以上を獲得すればJRAでの獲得賞金が10億円を突破。牝馬としてはウオッカ、ブエナビスタ、ジェンティルドンナに次ぐ4頭目となる。
★有馬記念調教ズバッと!採点
追い切りの動きを最上級の「S」から「D」の5段階でランク付けする「調教評価」が進化。東西サンスポ記者が『動き』『調整過程』『タイム』各10点の30点満点で採点する。表の「前」は前走、「1」は1週前、「今」は今回の時計。アーモンドアイの調教採点は27点。動きは文句なく満点、調整過程は予定外の参戦のため8点。タイムは取材を基に判断し9点とした。
★有馬記念の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
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