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第58回神戸新聞杯(26日、阪神10R、GII、3歳牡牝オープン国際、馬齢、芝・外2400メートル、1着本賞金5400万円、3着までに菊花賞の優先出走権=出走12頭)悲願のクラシック制覇がはっきりと見えた。ダービー2着ローズキングダムが新パートナーの武豊騎手に導かれ、昨年のGI朝日杯FS以来となる完全復活Vを果たした。タイム2分25秒9(良)。ダービー馬エイシンフラッシュを退けて勢いを取り戻した2歳王者は、菊花賞(10月24日、京都、GI、芝3000メートル)4勝の名手を得て、最後の1冠奪取に挑む。
ダービー1、2着馬のデッドヒートに場内から大歓声が上がる。先に抜け出したローズキングダムに、襲いかかるエイシンフラッシュ。しかし、抜かせない。新パートナー、武豊騎手のムチに応えて、2歳王者がダービー馬をクビ差抑えた。
「よくガマンしてくれました。(エイシンフラッシュが)来たときは『さすがだな』と思ってて。よくガマンしてくれましたよ」。名手が熱い口調で激闘を振り返る。
好位の内を追走。ダービー馬にマークされても、前半1000メートル63秒1のスローペースでも、あわてず騒がず。直線では、空いたスペースをエイシンフラッシュに奪われたと見るや内に進路を切り替え、馬群を縫うように抜け出した。前哨戦とはいえダービーの雪辱を果たし、ユタカは「レースが上手ですね。すばらしい馬」と称賛だ。
昨年の京都でデビューして以来となる地元、関西圏での競馬。プラス22キロの馬体増にも「(関東への)長距離輸送で馬体重が減るので、今回はこの数字になったんだろう。ネッキリハッキリの仕上げでもなかったから、次に余裕を持たせられてよかったんじゃないかな」と、橋口調教師は本番への上積みを強調するとともに「やはりエイシンフラッシュは最大のライバルだね」。よりいっそう気を引き締めた。
春は落馬による左鎖骨骨折で休養したユタカ。それだけに「春のクラシックは乗れませんでしたからね。こういういい馬に乗せてもらえるので、期待に応えられるよう、最後の1冠でがんばります」と力を込める。10月3日には、皐月賞馬ヴィクトワールピサで挑む仏GI凱旋門賞(ロンシャン、芝2400メートル)で世界の頂点を目指し、菊のパートナーも好発進。空白の春を取り戻す“実りの秋”が、スタートした。(野下俊晴)
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