丹内祐次(38歳)=美浦・フリー=騎乗で5番人気の3歳馬
コガネノソラが、51キロの軽量を生かして初の年長馬との一戦で重賞初制覇を飾った。秋は
秋華賞(10月13日、京都、GⅠ、芝2000メートル)が視野に入る。2着に2番人気の
ボンドガールが入り、レース史上初となる3歳馬のワンツーフィニッシュとなった。1番人気の
ウンブライルは10着に敗れた。
◇
父
ゴールドシップ譲りのパワフルな走りで北の大地を駆け抜けた。3歳馬
コガネノソラが51キロの軽量を生かして重賞初制覇。見事な手綱さばきでエスコートした丹内騎手の笑顔がはじけた。
「攻め馬にずっと乗って、この馬のことは把握していましたし、自信を持って仕掛けました。攻め馬でいい脚を使っていたので、自信はありました」
五分のスタートを切って、道中は中団外めをリズム良く追走。初めての洋芝、前夜から当日朝にかけての雨で湿った稍重馬場も苦にすることなく、スイスイと進んでいく。「51キロだったので、多少外を回っても大丈夫と思っていました。手応えはありましたし、あとはどこから動いていくかという感じでした」。4コーナー手前で鞍上が仕掛けると、持ち前の長くしぶとい末脚を発揮して先頭へ。最後は内から迫った同世代の
ボンドガールをアタマ差で振り切った。
夏場は52キロ前後の体重で騎乗する丹内騎手は、2020年6月13日以来となる斤量51キロでの騎乗のため、3週間かけて減量に取り組んできた。週中は休む間もなく追い切りに騎乗し、この日の競馬では全12鞍に騎乗。「たくさん乗るので、水抜きはしたくなかった。食事でやりました。完璧な状態でした。報われましたね」。高いプロ意識で大仕事をやってのけた。
菊沢調教師は同じく3歳で制した2017年の
アエロリット以来、同レース2勝目。「完璧でした。メンバーがなかなかそろっていたので、ここでどういった競馬をして秋につながるかと思っていました。目に見えて成長過程をたどっています」と初の年長馬相手に一発回答で、手応えを感じていた。
前走の
オークスは中2週続きのタイトなローテや初距離が響いて12着に敗れたが、近5走で4勝の充実ぶり。今後は放牧でリフレッシュを図り、秋は
秋華賞が目標となりそう。鞍上は「乗ったらバネがあってすごくいい馬。無事にいってくれればと思います」と期待を寄せる。
伸びしろたっぷりの芦毛のニュースター候補が、輝く未来へ突き進む。(斉藤弘樹)
■
コガネノソラ 父
ゴールドシップ、母マイネヒメル、母の父ロージズインメイ。芦毛の牝3歳。美浦・
菊沢隆徳厩舎所属。北海道新冠町・ビッグレッドファームの生産馬。馬主は㈲ビッグレッドファーム。戦績8戦4勝。獲得賞金7690万7000円。重賞は初勝利。
クイーンSは
丹内祐次騎手が初勝利、
菊沢隆徳調教師は2017年
アエロリットに次いで2勝目。馬名の意味は「黄金の空」。