阪神大賞典が22日、阪神競馬場で10頭によって争われ、岩田康騎乗で2番人気のユーキャンスマイルが中団から差し切って重賞3勝目。次走の天皇賞・春(5月3日、GI、京都、芝3200メートル)へ弾みをつけた。2着は5番人気の
トーセンカンビーナ。1番人気の
キセキは大きな出遅れが響いて7着に敗れた。
無人のスタンドから、どよめきが起きそうな波乱のスタート。断然1番人気の
キセキが大きく出遅れる中、隣り枠のユーキャンスマイルが直線で力強く抜け出して快勝。Vへと導いた岩田康騎手が、冷静に振り返った。
「スタートして(
キセキが)横にいなくて後ろを見たら出遅れたなと。その中でも自分のレースを心掛けました」
1周目のスタンド前で、後ろにいた
キセキが先頭集団まで位置を押し上げたが、後方でジッと待機。「一緒に動いたらリズムが崩れてしまうので。(最後の)3コーナー過ぎに馬群が凝縮したときに、
キセキの後ろを取れたのが大きかった」とジョッキー。直線ではメンバー最速タイの上がり3ハロン35秒8の末脚で、馬群の間を割って抜け出した。
ダイヤモンドS、
新潟記念に続く重賞3勝目となったが、右回りの重賞Vは初めて。ササる面が解消されてきたのは成長の証しだ。友道調教師は「当初は
金鯱賞の予定でしたが、1週延ばして調教もしっかりできました。体に(12キロ増の500キロ)余裕もあったし、次は絞れてくると思う。長距離なら
チャンスはあると思う」と力を込めた。
次走は、優先出走権を手にした天皇賞・春。昨年は5着に終わったが、「この勝利で大きな目標にグッと近づいたと思います。無事にいってほしい」と岩田康騎手は期待を寄せる。無尽蔵のスタミナで、春の盾を手に入れたい。 (渡部陽之助)
ユーキャンスマイル 父
キングカメハメハ、母
ムードインディゴ、母の父
ダンスインザダーク。鹿毛の牡5歳。栗東・
友道康夫厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は金子真人ホールディングス(株)。戦績15戦6勝。獲得賞金2億9760万2000円。重賞は2019年GIII
ダイヤモンドS、GIII
新潟記念に次いで3勝目。
阪神大賞典は
友道康夫調教師が08年
アドマイヤジュピタ、16年
シュヴァルグランに次いで3勝目。
岩田康誠騎手は08年
アドマイヤジュピタ、14年&15年
ゴールドシップ、18年
レインボーラインに次いで5勝目。馬名は「笑ってごらん」。
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