皐月賞の最終トライアル・
スプリングSが22日、中山競馬場で10頭によって争われ、6番人気のガロアクリークが中団から鋭く伸び、2着
ヴェルトライゼンデに1馬身1/4差をつけて重賞初制覇を飾った。コンビを組んだライル・ヒューイットソン騎手(22)=南ア=は日本の重賞初勝利。3着
サクセッションまでが
皐月賞(4月19日、中山、GI、芝2000メートル)の優先出走権を獲得した。
クラシック戦線の新星は、強い南風と南アフリカの若き名手に導かれてやってきた。4コーナー手前からのまくり合戦を制したのは6番人気の伏兵ガロアクリーク。ヒューイットソン騎手は、無人のスタンドに向かって左手を突き上げた。
「強敵がそろっていましたが、追い切りの感触がすごく良かったので自信を持って乗りました。日本のGIIを勝つことができて光栄です」
すでに本国で2度のリーディングを獲得している22歳は、日本での重賞初Vに端正なマスクをほころばせた。勝負どころでは人気を集めた
ヴェルトライゼンデと
サクセッションの間を割るように進出。残り1ハロンで先頭に立ってからも末脚は衰えず、鞍上の左ステッキに導かれてゴールに飛び込んだ。
新馬勝ちの後は
ホープフルS11着、水仙賞4着と苦戦続き。それでも上原調教師には確信があった。
「体が柔らかくて、能力は結構あると思っていたからね。ジョッキーには『(優先出走権のある)3着は外すな』ときつく言っておいたんだ」
2004年にはこのレースで11番人気ながら3着だった
ダイワメジャーで
皐月賞を制した実績があり、「同じように人気のない
スプリングSで走ったから次のレースも楽しみ」と16年前の再現に意欲を示していた。
本番でも引き続き手綱を取る鞍上は「2000メートルが限界だと思うが、うまく能力でこなしてくれれば。一緒に大きいところで頑張りたい」と次なる
ターゲットに闘志を燃やす。馬名はカナダの金鉱山に由来するが、南アも
ダイヤモンドの産地として有名。このコンビ、さらなるお宝を運んでくれそうだ。 (漆山貴禎)
ガロアクリーク 父
キンシャサノキセキ、母ゴールドレリック、母の父キングマンボ。鹿毛の牡3歳。美浦・
上原博之厩舎所属。北海道浦河町・笠松牧場の生産馬。馬主は水上行雄氏。戦績4戦2勝。獲得賞金6322万8000円。重賞は初勝利。
スプリングSは
上原博之調教師、ライル・ヒューイットソン騎手ともに初勝利。馬名は「カナダの金鉱山より」。
ライル・ヒューイットソン(Lyle Hewitson) 1997年10月30日生まれ、22歳。南アフリカ出身。南アで17/18、18/19シーズンにリーディングを獲得。2016年にデビュー。GIはガーデンプロヴィンスS連覇など6勝。日本では通算49戦8勝。短期免許期間は5月4日まで。
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