2018年2月23日(金) 17:00
山崎エリカ
【山崎エリカのダートグレード攻略】~エンプレス杯(キヨフジ記念)2018~
閲覧 1,544ビュー コメント 0 ナイス 13
今年で64回目を迎えるエンプレス杯は、数ある牝馬限定ダートグレードの中でも、もっとも歴史があるレース。近年は牝馬のダートグレードの充実により、TCK女王盃などのG3と横並びのようなレースですが、かつては最強牝馬決定の位置付けで行われていました。地方競馬のグレード制導入元年(1995年)にホクトベガが目が眩むほどの歴史的大差勝ちを収めたことがあまりに有名。
そんなこんなのエンプレス杯の近年の主な対戦図式は、前走TCK女王盃組vs新規参戦組。2~3月はこれまでの実績馬が繁殖入リすることも多く、中央の条件クラスの馬が繰り上がりで出走してくることがしばしばあるのが特徴。前走TCK女王盃組のほうがやや優勢ではありますが、過去10年で見ると意外と人気に応えられていないのも確か。
前走TCK女王盃の連対馬でありながら、このレースで人気を裏切ったのは、2008年のラピッドオレンジ(6着)、2009年のユキチャン(6着)、2010年ウェディングフジコ(5着)、2015年のアクティビューティ(4着)の4頭。この4頭の共通項は、前年の古馬ダートグレードで優勝の実績がなかったこと。昨年のこのレースの覇者ワンミリオンスのように一度は1600万下を含む連勝馬ならばともかく、前記タイプは基本的に信頼できません。前年の古馬ダートグレードで優勝の実績のある馬ならば、2009年のヤマトマリオンや2011年のミラクルレジェンドのように、3着止まりのケースもありますが、3連複の軸馬ならば信頼できるでしょう。
では、エンプレス杯ではどのような馬が最有力かというと、前年の中央のダ1700m以上の古馬オープン特別で3着以内の実績がある馬。このタイプの過去10年の成績は、【4・1・0・0】。1着の該当馬は、2008年のサヨウナラ、2009年のニシノナースコール、2011年のラヴェリータ、2014年のワイルドフラッパー。2着の該当馬は、2008年のニシノナースコール。2011年にJBCレディスクラシックが創設されて以来、中央のオープン特別を経由する馬は滅多にいませんが、出走していれば積極的に狙えます。
次いで有力なのは、前年のJBCレディスクラシックの連対馬。JBCレディスクラシックが創設された、翌年の2012年以降のこのレースでの成績は【1・1・0・0】。これまでの該当馬は、2012年のミラクルレジェンド(1着)と2014年のアクティビューティ(2着)。牡馬トップクラスが相手のフェブラリーSに目もくれず、ここに出走してくる馬も信頼できることになります。
他では、前年のダ2100m以上のG2以上の優勝馬も有力。過去10年のこのレースでの成績は、【1・2・1・1】。1着の該当馬は、2016年のアムールブリエ。2着は2011年ブラボーデイジー、2015年のワイルドフラッパー、3着は2008年のヤマトマリオン。そして唯一、4着以下だったのは2009年のサヨウナラで、このレースでは5着でした。サヨウナラは長期休養からの復帰戦となった前走のTCK女王盃で勝ち馬と1.9秒差(7着)と大敗していた馬。前走で大敗していないことが条件ならば、信頼できるでしょう。
逆に、一番の穴メーカーは、今回と同距離コースのロジータ記念の連対馬です。ロジ―タ記念は地方の3歳牝馬トップクラスが集う重賞ですが、2009年にのこのレースで6番人気で2着入線し、馬連2万1810円、3連単19万180円のアドバルーンを打ち上げたのが、前年のロジータ記念の優勝馬シスターエレキング。また、2013年、そして昨年も前年のロジ―タ記念の連対馬エミーズパラダイスやリンダリンダが2着入線しています。
なぜ、ロジータ記念組が地味に活躍するのかというと、川崎ダ2100mを経験していることや4歳馬は斤量54㎏も出走できるメリットがあるからでしょう。ただし、前記した3頭とも4コーナー2番より前から押し切った馬たちでした。前がバテたところを差して勝った2009年のタカヒロチャームのようなタイプは、人気どおりの結果しか期待できないのでご注意を!
まとめるとこうなります!
●本命候補
・前年の中央のダ1700m以上の古馬オープン特別で3着以内の実績馬。
・前年のJBCレディスクラシックで連対した馬。
・前年のダ2100m以上のG2以上の優勝馬。
(前走、大敗馬を除く)
・前走のTCK女王盃で連対した馬。
(前年にダートグレード勝ちの実績のない馬を除く)
●穴馬候補。
・前年のロジ―タ記念の連対馬。
(4コーナー2番手よりも前から押し切っている馬が対象)
山崎エリカさんのダートグレード競走最新予想はこちらからご覧いただけます!! |
|
[もっと見る]
2016年1月12日(火) 11:15
山崎エリカ
【山崎エリカのダートグレード攻略】~TCK女王盃2016~
閲覧 1,298ビュー コメント 0 ナイス 7
年明け最初の交流重賞は、牝馬限定戦のTCK女王盃。このレースは、女王クラスの馬が引退して繁殖入りしたり、休養していることも少なくないため、年によってレースレベルに差が生じます。女王クラスの馬が出走していればそれらが勝ち、出走していなければ新興勢力や地方勢の活躍が目立ちます。前年のJBCレディスクラシックでワン、ツーのラヴェリータやミラクルレジェンドが不在の2012年には、南関東のハルサンサンが7番人気で勝利し、大波乱になったこともあります。
さて、今年の状況はと言うと、昨年、この路線の主役サンビスタが引退。またその次点のような存在だったトロワボヌールは休養。そして昨年のエンプレス杯を圧勝したアムールブリエは、昨年末の名古屋グランプリ勝ちを機に、牡馬混合の王道路線へと向かいます。しかし、昨年のJBCレディスクラシックを制し、新女王の座に君臨したホワイトフーガがここへ出走してくることで、形式上は水準以上のレベルが保たれています。
しかし、ホワイトフーガは、一部でも報道されたように、JBCレディスクラシックを勝利した後、ひどく疲れが出て、チャンピオンズCやクイーン賞を使える状態ではなかったとのこと。昨年のJBCレディスクラシックは、同レース2着のサンビスタがチャンピオンズCを制したように、例年以上のハイレベルでした。前が厳しい流れの消耗戦となり、展開の後押しでパフォーマンスを大幅に上昇させたホワイトフーガは強く疲労が出てしまったのでしょう。
確かにこれまでのこのレースでは、一昨年のメーデイアや昨年のサンビスタなど、前年のJBCレディスクラシックの勝ち馬が活躍していました。しかし、前記2頭は、前走チャンピオンズC(旧JCダート)凡退からの巻き返しV。つまり、今回が休養明け緒戦となるホワイトフーガとは状況が異なります。ホワイトフーガは、年内を休養にあてたことでキッチリ立て直されている可能性もありますが、激戦の疲れからスランプに突入する可能性もないわけではありません。このレースが堅いか荒れるかは、ホワイトフーガの状態ひとつと言えるでしょう。
さらにこのレースは、体を絞るのに苦労する冬場に行われることもあり、12月不出走馬は苦戦の傾向があります。休養明けでこのレースを3着した馬ならば昨年のソーミラキュラスなどがいますが、勝ち馬となると2008年のラピッドオレンジまで遡らなければ存在していません。逆に順調にレースを使われている馬は、よく活躍しています。
一番この舞台での活躍が目立つのは、メーデイアやサンビスタのように、前年のJBCレディスクラシック出走の前走チャンピオンズC組。2011年にはラヴェリータが、JBCレディスクラシック8着→JCダート7着から、このレースを勝利したこともありました。しかし、今年はその鉄板級のパターンの馬は不在です。
次点の活躍が見られるのは、前年のクイーン賞で3着以内の馬です。過去5年では2011年ミラクルレジェンド、2012年カラフルデイズ、2015年アクティビューティがこのレースで2着入線しています。近年は女王クラスの馬が出走しているために、勝利こそありませんが、遡れば2006年グラップユアハート、2007年ヤマトマリオン、2010年ユキチャンがこのレースを制しています。グラップユアハート、ヤマトマリオン、ユキチャンともにクイーン賞の勝ち馬でした。
また、この時期の牝馬限定戦は、新規参入してくる馬が多いですが、いきなり通用となると2013年の勝ち馬メーデイアや2014年の2着馬ワイルドフラッパーのように中央のダートの準オープンで2着以内の実績が必要とされます。4歳馬ならば2012年の2着馬カラフルデイズのように、重賞で上位の実績があれば理想です。メンバーの質が下がれば、2013年の2着馬アクティビューティのようにクイーン賞4着以下からの巻き返しもありますが、アクティビューティは、もともと中央のダートの準オープン勝ちの実績がある馬でした。もともと実績馬であれば、クイーン賞4着以下の馬でも連下候補に加えてもいいでしょう。
TCK女王盃を水準レベルの想定でまとめると、こうなります!
1着馬候補→前年のJBCレディスクラシックの勝ち馬、前走チャンピオンズC出走馬、前年のクイーン賞1着馬。
2着候補→前年のクイーン賞3着以内の馬、中央のダートの準オープンで2着以内の実績馬、重賞で上位の実績がある4歳馬。
3着馬候補→前年のクイーン賞3着以内の馬、中央のダートの準オープンで2着以内の実績馬、重賞で上位の実績がある4歳馬。
山崎エリカさんのダートグレード競走最新予想(「競馬プロ予想MAX」)はこちらからご覧いただけます!! |
|
[もっと見る]