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【TAROの競馬研究室】中山マイスター・田辺の考察/今週末は中京ダートの馬場に注目

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【TAROの競馬研究室】中山マイスター・田辺の考察/今週末は中京ダートの馬場に注目 | コラム | ウマニティ

先週の当コラムでは中山芝1600mの枠順傾向について触れたが、日曜メインでは8枠13番のミュゼエイリアンが14頭立ての13番人気で3着に激走、3連単47万馬券の立役者となった。かつてはイン有利の代表的なコースだったが、傾向が変わったことを改めて思い知らされる結果となった。

さて、その第1回中山開催も早いもので今週末が最後となるが、やはりというか、今年も”あの男”が大活躍している。中山マイスター(と勝手に呼ばせて頂いている)田辺裕信騎手である。


~中山マイスター・田辺の騎乗スタイルとは?

今や関東のトップジョッキーにまで成長した同騎手だが、特に中山での騎乗は惚れ惚れするほど上手い。騎手を馬券で活用する上で重要なことは、「上手いこと」以上に「わかること」「読めること」が重要だと考えるので、その点、「上手くて読みやすい」田辺騎手は貴重な存在である。

余談であるが、仮に下手でも、安定して下手であったり、ある条件以外は下手、というようなタイプは馬券的にはありがたい。騎手にイライラするよりは上手く活用するという点で大事な考え方である。

さて、本題に戻る。田辺騎手だが、先週の日曜メイン・ニューイヤーSでは3番人気のドーヴァーに騎乗し1着、またダート1200mのジャニュアリーSでは13番人気ドリームドルチェで2着に突っ込むなど、年明けの中山開催で再三に渡り伏兵を激走させている。まだ5日間の開催が終わっただけだが、すべて中山で騎乗し複勝率40.5%、複勝回収率126%と、ベタ買いでも儲かる状況だ。複勝率も4割以上あるということは、1頭の激走に支えられた数値ではなく、極めて安定して好走を続けているのである。

では、田辺騎手のどこが凄いのか? その凄さをひと言でまとめるならば、4コーナーでの”溜め”の上手さである。

中山コースは言わずと知れた小回りのトリッキーなコースだけに、コーナーの回り方が東京コース以上に重要になる。田辺騎手はだいたいこの勝負所で、ワンテンポ待つことができるのだ。

前述のドーヴァーにしても、厳しい流れの中でワンテンポ追い出しを待っているからこそ、最後にグンと伸びてくる。また月曜最終で騎乗したピースユニヴァースでは、出遅れて最後方の位置取りながら焦らず追走。4コーナーでは先に仕掛けたビヨンジオールらを行かせてから追い出しを開始しており、それが結果的に最後の伸びに繋がっている。普通は芝1200mで出遅れると焦って盛り返そうとするものだが、田辺騎手は良い意味での開き直りというか、自分の形がある。

↓”中山の田辺”を信じた月曜最終では、田辺軸で3万馬券が的中


基本的にはゲートを出たなりで追走することが多く、位置取りが悪くなりがちで2~3着に敗れることも多いが、その点は馬券での工夫が必要だろう。いずれにしても中山ではルメールと同じくらい頼りになる存在である。もちろん、ルメールほど人気にはならない。

ちなみに、田辺騎手の2段活用として、中山で狙い、コース替わりで嫌う…というのは覚えておきたい。同騎手が主戦を務めるジェネラーレウーノなどは、その田辺スタイルをわかりやすく体現する馬だ。皐月賞では厳しい流れをリズム良く先行して3着と激走し、続く東京替わりのダービーでは全くいいところなく敗れている。そして、秋初戦のセントライト記念では再び中山で勝利したが、次走の菊花賞ではやはり見せ場なく敗れている。

中山の田辺は妙味も含めて買い、そして中山で田辺騎乗により好走した馬は、次走コース替わりで疑う。これを知っておくだけでも、十分馬券検討の役に立つはずだ。


~極端な傾向が出る中京ダートに注目

さて、その田辺騎手が前述したジェネラーレウーノで参戦するのがAJCC。芝の中距離は特に腕が生きるので当然注目したい。

また、AJCC以外でも、今週末、特に芝のレースでは田辺騎手に注目したい。連続開催の最終週となり馬場が荒れてきているため、いつも以上に田辺スタイルがマッチするはずだ。

なお、中京の東海ステークスは馬場状態に注目したい。中京ダートは特に傾向が出やすい。例えば、2017年の夏の開幕週は本当に反則的に直線インしか伸びない馬場だったが、逆に昨年暮れの最終週(12/15~16)は、直線インがほとんど伸びなかった。実際この週末にインを突いていた組が、今開催の京都のダートで続々と巻き返している。

今週はどのような馬場になるか。現時点では連勝中のインティはもちろん、本格化したチュウワウィザードに期待しているが、馬場傾向を踏まえた上で最終結論を出したいと考えている。


○TARO プロフィール

大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)。2018年12月14日には最新刊『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)をリリース。

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