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第77回皐月賞(16日、中山11R、GI、3歳オープン国際(指)、セン馬不可、定量、芝・内2000メートル、1着本賞金1億円、1~4着馬にダービーの優先出走権 =出走18頭)9番人気のアルアインが直線で力強く伸びて1冠目を制した。松山弘平騎手(27)は38度目の挑戦でGI初制覇。この後はダービー(5月28日、東京、GI、芝2400メートル)を目指す。2着はペルシアンナイトで池江泰寿厩舎のワンツーとなった。タイム1分57秒8(良)はコースレコードタイ。1番人気に推され、69年ぶりの牝馬Vを狙ったファンディーナは7着に敗れた。
天に向かって何度も左手を突き上げた。歓喜のゴールを駆け抜けた松山騎手が人さし指を立て、“1冠目”と“GI・1勝目”をアピール。単勝9番人気のアルアインを見事にエスコートし、3連単100万円超えの大波乱決着を演出した。
「信じられないです。うれしいのと、チャンスをいただいたことへの感謝の気持ちがあります。自在性のある馬ですし、そこを生かしたいと考えていました」
重賞初制覇となった前走の毎日杯からコンビを組んで2戦目。道中はぴたりと折り合った。3、4コーナーで7番手あたりまで位置を下げたが、「ファンディーナの内にいれて、見ながら競馬をしたかった」と周りを見て冷静に立ち回った。残り100メートル付近では先頭に立っていた僚馬ペルシアンナイトとマッチレース。ゴール直前で、クビ差きっちり差し切り、1分57秒8のコースレコードタイで1冠目を制した。
自身が小学6年のときに亡くなった父方の祖父の存在がジョッキーを志すきっかけだった。「おじいちゃんは競馬が好きだったんです。病院で一緒にテレビ中継を見ていて、『騎手になるまで、死なないで』と話したこともありました」。競馬ファンが心待ちにするクラシック1冠目で自身のGI初勝利。天国で応援してくれている祖父に最高の結果を報告した。
JRA・GI38度目の挑戦でようやく栄冠をつかんだ。昨年もGIで2着が2回、3着が1回とあと一歩のところまで迫っていた。「チャンスのある馬にも乗せてもらっていたので…。このまま勝てないかなという思いもありました」と本音も漏れた。
2011年の3冠馬オルフェーヴル以来、2度目の皐月賞制覇となった池江調教師はインタビュアーに「親子丼ですが?」と聞かれると、「親子丼っていうんですか? ワンツーフィニッシュじゃなくて?」とツッコミを入れるほど上機嫌。皐月賞で同一厩舎が1、2着を占めたのは1963年の尾形藤吉調教師以来、54年ぶり3度目の快挙だ。そして指揮官は「ダービーはサトノアーサーと合わせて“3段重ね”ですね」とダービーでの“表彰台独占”もぶち上げた。
もともと距離を不安視されていただけに、「もう一度、調教でダービー仕様にしていかないとだめですね」とトレーナーは2冠目へ向けて、気を引き締めることも忘れていない。GIジョッキーの肩書がついた松山騎手と、“混戦世代”の主役に躍り出たアルアインのサクセスストーリーは始まったばかりだ。 (山口大輝)
◆皐月賞の表彰式プレゼンターを務めた俳優の松坂桃李「人生初の馬券に挑戦し、誕生日の10月17日にちなんで(10)(17)の馬連と、桃李の“桃”にちなんでピンク色の(17)ウインブライトの単勝を買いました。残念ながら外れましたが、とても興奮できました」
★16日中山11R「皐月賞」の着順&払戻金はこちら
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