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【鈴木和幸G1コラム】 オークスの思い出

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オークスの思い出

桜花賞馬(好走馬)のオークス苦戦を知りながら昨年ブエナビスタ◎の理由

 
今年71回を数える歴史あるオークスは、
平成に入ってからの21年だけを振り返っても、
1番人気にこたえて勝ったのは昨年のブエナビスタ
17年のシーザリオ
12年のシルクプリマドンナ
5年のベガの4頭だけである。

桜花賞馬を初めとする人気馬が負けること、負けることー。

予想も馬券も本当に難しい。

もっとも考えてみれば、1番人気に限らず多くの支持を集めるのは、
そのほとんどが桜花賞の上位組。

ところが、桜花賞の1600メートルに対し、
オークスは800メートルも長い2400メートルである。

まったく異質のレースといってもいいのだから、
桜花賞好走組のオークス苦戦、凡退があるのはむしろ当然なのかも知れぬ。

 
今年の桜花賞馬はアパパネ
2着オウケンサクラ、3着エイシンリターンズ、
4着ショウリュウムーン、5着アプリコットフィズ
さて、これらの馬たちのオークスはー。
 
 
もちろん、桜花賞とまったく同じ着順でのゴールもありうる。

しかし、前述のデータの教えもあるのだし、
桜花賞上位組に過信は禁物、一度は疑ってかからなければなるまい。

平成16年、無敗の4連勝、
圧倒的な強さで桜花賞馬となったダンスインザムードでさえ、
オークスでは単勝1・4倍の断然人気を裏切り、
馬券の対象から外れてしまった(4着)ことを思いだすと、なおさらの感が深い。

 
といいながら、昨年のオークス、私はこう書き出している。

「記念すべき第70回オークスは、桜花賞ブエナビスタが2冠馬となるための舞台だ」

そして、

「2着も桜花賞2着のレッドディザイアで決まり、、、」

とつづけている。

ずばり、◎ブエナビスタ、○レッドディザイア
前述のデータまったく無視したかのような、この予想の根拠はというとー。

 
桜花賞馬、もしくは桜花賞好走馬のオークスでの苦戦。

これは前述の通り、
1600から2400メートルへのいっきょ800メートルの距離延長があるからである。

つまり、桜花賞で上位に好走した馬たちの多くは、
1600メートルが適距離であったということ。

スローペースにはなりにくいから折り合いがつき、
持ち前のスピード、決め手を存分に生かせる。

だからこその好走、好勝負できたわけだ。

 
しかしながら、オークス2400メートルともなると話が違う。

流れ、ペースに緩急があるから、まず折り合いをつけづらいし、
もちろん、スピード一辺倒ではスタミナがもたない。

スピードとスタミナを兼備し、
ペースの緩急に動じない気性の素直さ、精神力が求められる。

前述のダンスインザムードを筆頭に、
どれだけ道中折り合いを欠き、
それが原因で最後の直線で伸びを欠いた桜花賞馬(好走馬)を見てきたことだろう。

 
ブエナビスタレッドディザイアに話を戻そう。

この昨年の桜花賞1~2着馬に迷うどころか、
自信をもって◎、○を打てたのは、
オークス2400メートルの距離にまったく心配がなく、
むしろ適しているとの確信があったからである。

ともにカーリアンの肌で、
ブエナがダービー馬のスペシャルウイーク、
レッドは菊花賞馬のマンハッタンカフェが父、
この血統なら2400メートルはドンとこい。

それに、ブエナは後方からの追い込みで勝負するタイプだから、
ごちゃつきやすい阪神1600メートルより、
直線長い東京2400メートルの方がどれほど戦いやすいことか。

レッドにしても桜花賞はキャリア2戦で挑んだわけだし、
4戦めとなるオークスは経験を積んでのプラスアルファが見込めた。

2400メートルへの距離延長になんの問題もなく、
それどころかプラス材料の方が多い。

それなら、桜花賞1~2着の成績通りの評価ができる。

その成績はといえば、
ブエナとレッドは半馬身差のきわどい勝負でも、
3着馬には1馬身半と完全に水をあけている。

データなんてクソくらえ、桜花賞の1~2着馬がオークスでも1~2着する。

とりわけ、ブエナビスタの2冠は不動との結論である。

 

●ブエナは名づけて“女ディープインパクトオークスではなくダービー出走すべきと

 
もう少し、ブエナビスタの話をしたい。 

私が初めてブエナに意識させられたのは、
あの伝説といわれる、平成20年10月26日の京都の新馬戦である。

牡馬のアンライバルドリーチザクラウンに後れは取ったものの、
繰り出した末脚はかれらをしのぐ上がり3F33秒5、
ぶったまげたといったほうがいいだろうか。

つづく2戦めの未勝利勝ちは当たり前のこととして受け止め、
3戦めの、1勝馬の身で挑んだGⅠ阪神ジュベナイルFではVまである▲に抜擢、
◎のダノンベルベール(2着)を破って2歳牝馬チャンピオンに輝いた直後、
私が彼女につけた名前は、“女ディープインパクト”。

当時はいくらなんでもそれは評価のしすぎと、
陰口をたたかれもしたが、
私自身は、

「みんな、わかっちゃいない!」

とどこ吹く風だった。

 
続けて言わせてもらえば、評価のし過ぎでもなんでもない、
むしろ、もっともっと高く評価してもいいくらいだと。

思い出そう、阪神ジュベナイルの直線を。

ブエナが先に抜け出しかかったダノンに近づいてきた、
その次の瞬間には、もう先頭に躍り出て、
そこからは何度も何度も手前を替えながら、
遊び遊びの走りで2馬身半もの差をつけたのだ。

レース後の2着ダノンベルベールの後藤いわく、

「悔しくないほど相手が強かったよ」

舌を巻くしかなかったのである。

“女ディープインパクト”が牝馬同士のチューリップ賞桜花賞で負けるわけがない。

連勝記録を“4”に伸ばした桜花賞の直後には、
私は関係者へのお願いもこめて言ったものである。

「ブエナなら遊んでいてもオークスは勝ってしまう。それはわかっている。しかし、競馬界のためにも勝つとわかっているオークスなんかやめて、ぜひダービーに出てほしい。そして、あのウオッカの再現走を」



●昨年のオークスこそは3連単馬券で勝負すべきレースだった

 
おそらく、多くの人が的中させたであろう昨年のオークスを、
思い出のレースとして取り上げたのは、二つ言わせてもらいたいことがあったから。

一つはもうお気づきだろう。

桜花賞の結果は距離1600メートルへの適性を持って考えなければならない。桜花賞好走は適距離であったから、そうした馬のオークスは疑問を残す。しかし、距離不足が認められる馬の好走なら、大いに有望」

もう一つは、

「昨年のオークスこそ3連単を買うべきレースだった」

いまは3連単馬券が人気である、一番売れている。

万馬券なんて当たり前、
100万を超えるミリオン馬券だってしょっちゅう飛び出しているから、
夢を買えるとばかりに人気が集まるのだろう。

でも、私はほとんど3連単は買わない。

夢は買うものではなく、叶えるもの。

正直にいって、的中させるのが難しすぎるのだ。

確かに、高配当は魅力である。

しかし、18頭立てで4896点もある組み合わせから、
仮に50点、100点買ってもそう簡単に的中させられるものではない。

買う点数をさらに増やせば的中の確率は上がるかもしれないが、
それだけ資金はかさんでしまう。

私は圧倒的に単勝党だし、ときとして馬連、馬単党である。

そんな私が昨年のオークスで3連単を買うべきレースだったという、理由はこうである。

 
まず、ブエナの単勝は140円しかつかないし、馬連も320円どまり。

これは10万円とか100万円以上とか、多額を投じる人たちの馬券だろう。

少なくとも私には買えないし、買おうとも思わない。

そこで、3連単なのだ。

ブエナビスタレッドディザイアジェルミナルで2430円つけただろう。

この配当は悪くない。

だって1~2着はブエナ、レッドで決まりと考えられていたのだから、
あとは3着馬を何頭か選び出せばいい。

仮に残りの16頭全部を買ったとしても、
均等買いなら十分に採算が取れる計算になる。

でもま、ギャンブラーなら16点は買わないし、
3~5点に絞り込むこともそんなに難しいことではないはずだ。

 
ちなみに、昨年のオークスの私の馬券は、
まず自らの予想通り、ブエナ→レッドの馬単⑦③(440円)を一点勝負して、
3連単は1着ブエナ、2着レッドの固定で、3着探しの5点だった。

「1~2着が桜花賞と同じなら、3着も同じ」

なんて、そんなひらめきがあったら、一点で的中させられたのだが、、、。

 
余談はさておき、皆さんはどのように3連単を買われるのだろうか。

私は話してきたように、
結果はともかくとして、昨年のオークスのように1~2着馬を自分なりに特定できるとき、
もしくはこの馬が勝つとの確信が持てるときに心が動く。

この方法ならそんなにもたくさん点数を買わなくてすむ。

 
たとえば、1着1頭固定で、2着3頭なら3着を6頭にしても15点。

このやり方で大成功だったのが、つい先だっての皐月賞

三冠への旅立ちと、
頭不動の◎に取り上げたヴィクトワールピサでも、
単勝160円ではとても買えないし、われわれ庶民が買う馬券ではない。

そこで3連単だったのだ。

ヴィクトワールを1着に固定し、2着は○▲注の3頭、3着に○▲注△△△△の18点。

3連単の払戻金は3万5220円もつけたのだ。

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