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今週末は牝馬3冠の最終戦・秋華賞が、京都競馬場で行われる。トライアルのローズSで重賞2勝目を挙げたカンタービレ(栗・中竹)が戴冠に挑む。前走でひと夏越しての成長ぶりを示し、小回り向きの先行力も魅力。アーモンドアイの3冠制覇を阻止し、新女王の称号を奪いたい。
今年の秋華賞は、2冠馬アーモンドアイの1強ムード。だが、トライアルのローズSを制したカンタービレが、虎視眈々と逆転を狙っている。
「前回で減った体は戻っています。変なテンションの高さがなく、いい状態になっていますよ」
辻野助手が自信の口ぶりで近況を伝えた。復帰戦のローズSは、1分45秒7の好タイムで勝利。好位2番手でしっかりと折り合うと、4コーナーで先頭へ。直線もしっかり伸びて押し切った。フラワーCに続く2つ目の重賞タイトルを手に入れたが、今春には備わっていなかった末脚の切れ味(上がり3ハロン33秒6)に進化の跡が見てとれた。「前に馬の壁がない状況でも落ち着いて走れました。課題と考えていた瞬発力勝負もクリアできた」と納得の笑みで続けた。
「持っているスピードと瞬発力は一級品」と春の段階から陣営が高評価していた器が、今夏の休養でさらに良化。精神面でゆとりが出た。体重は変わらなくても馬体のボリュームもアップし、走りに強さが増した。「体つきが大人に。成長を感じますね」と辻野助手も目を細める。
秋華賞では2冠牝馬アーモンドアイの手綱を取るルメール騎手も、カンタービレに騎乗したローズSで能力の高さを実感。「強かったですね。秋から他の牝馬も強くなったし、GIを勝つのが難しくなるね」と強力なライバルとして一目置く。
ローズS出走組は、過去10年で6勝、2着8回と好成績。叩いた上積みが見込め、器用さが求められる内回り2000メートル戦なら、自慢の機動力も存分に生かせる。
「1回使ってガス抜きができましたし、内回りコースはこの馬の戦法(先行策)にはプラスだと思う」と、辻野助手が期待を込める。
アーモンドアイと初対戦のオークスは13着。だが、心身ともにパワーアップした今なら、春のようなことはない。渾身の走りで女王を下し、ニューヒロインの座に輝く。 (宇恵英志)
★秋華賞の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
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