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今週から春の阪神競馬がスタートする。オープニングを飾るのは阪急杯(3月1日、GIII、芝1400メートル)。昨秋のスプリンターズSで3着と好走したレッドオーヴァルはひ弱さが解消し、5歳を迎えて充実してきた。高松宮記念(3月29日、中京、GI、芝1200メートル)へ向けて手応えをつかむ。
脱皮した姿が好勝負を予感させる。レッドオーヴァルが、たくましさを身につけてターフへ戻ってくる。
「順調にここまできていますよ。昨年までとは違い、いい意味でのずるさが出てきた感じです。今の雰囲気でこの相手にどんな競馬を見せてくれるのか、楽しみです」
24日朝、調整役の安田翔助手が笑顔で切り出した。
中間の様子が、今までとは違う。敏感なタイプで放牧先から栗東に帰厩しても、環境の変化になじむまでに10日ほど要していたが、今回はすぐに順応した。「昨年までと同じカイバの量でも、実になっている感じ」と担当の石井助手は変化を実感。体が減らないので、デビュー以来、一番といえる濃密な調教メニューを消化している。
坂路とCWコースを併用。普段のコース調教では以前の約1周から、現在は1周半~2周にまで運動量をアップ。馬場の悪い時間帯の坂路でも上々の反応を見せている。「手加減なくやれています」と安田翔助手もニッコリ。5歳を迎えて、ようやく心身がかみ合ってきた。
桜花賞2着、スプリンターズS3着など、GIでの戦績は光る。前走の京阪杯9着は、下降気味の状態のために走りきれなかったが、力はここでも十分に足りる。
1400メートル戦では掲示板を外したことがなく、【2・1・1・1】と安定。「デキの良さでどこまでやってくれますかね。いい脚は持っていますから」と安田隆調教師も胸を躍らせる。高松宮記念へ向けて、レッドオーヴァルが期待のふくらむ走りを見せる。 (宇恵英志)
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