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【馬人クローズアップ】今浪隆利厩務員

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【馬人クローズアップ】今浪隆利厩務員

 匠の腕が、純白のシンデレラを支えている。土曜札幌メイン・札幌2歳Sで白毛馬初の芝重賞制覇を狙うソダシ。担当する今浪隆利厩務員は、GI6勝馬ゴールドシップの名パートナーを務めた大ベテラン。最近の日課のひとつとして、白い馬体をピカピカに磨き上げている。

 「馬体がすごく柔らかいんだよ。それにバネもいい。この中間、カイバ食いが良くなって、思い切った稽古ができているのもいいね」

 指示に従順な相棒の姿に目を細める。忘れられない一頭、ゴールドシップのときはそうはいかなかったと言って笑う。

 「(ゴールド)シップはああいう(激しい)気性だから、現役の間じゅう、けがをさせたらいけない、とそのことにもう必死だった」

 今夏は函館、札幌に腰を据えている。生まれは小倉競馬場の近くだが、競馬の世界に飛び込んでからは北海道との縁もかなり深まっている。ゴールドシップがデビューしたのが2011年夏の函館。札幌2歳Sは13年レッドリヴェール(函館で施行)、15年アドマイヤエイカンと担当馬2頭が勝利を収めた。厩務員として3勝目を狙う今年は、“盟友”ゴールドシップの産駒が何と5頭もライバルとして立ちはだかる。

 「シップの子に勝ってほしいって気持ちはいつもある。けどここは、こっちも勝ってほしい。着実にレベルアップしているから楽しみだよ」

 ソダシとは、サンスクリット語で『純粋、輝き』という意味。腕利き厩務員の手によって磨きをかけられた白馬が、北の大地でまばゆい輝きを放つ。(内海裕介)

■今浪隆利(いまなみ・たかとし) 1958(昭和33)年9月20日生まれ、福岡県出身の61歳。名古屋競馬、北海道の優駿牧場での勤務を経てJRA厩務員に。栗東・内藤繁春、中尾正厩舎でキャリアを積み、2009年に開業した須貝尚介厩舎へ移籍。数々の重賞勝ち馬を担当してきた。札幌2歳Sは2勝のほか、11年ゴールドシップ、19年サトノゴールドが2着、16年アドマイヤウイナーが3着に入った。



札幌2歳Sの出馬表はこちら 調教タイムも掲載

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