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第53回阪急杯の最終追い切りが25日、東西のトレセンで行われた。良血ファリダットは芝コース単走で確かな伸びを見せ、重賞初制覇へ向け万全の態勢をアピール。東京新聞杯で16着に敗れたローレルゲレイロ、上がり馬のドラゴンファングはラスト重点の攻めで態勢を整えた。
悲願の初タイトル奪取へ良血ファリダットが芝コースを軽快に駆け抜けた。力を要する馬場状態でも脚取りは確か。その充実ぶりに好ムードが漂う。
「この馬は動きがいいのが当たり前だよ。何も言うことがないね」
四位騎手が胸を張って切り出した。最終追いは単走。週初めからの雨でタップリと水を含んだ最悪のコンディション。ぬかるんだ馬場の中、ゴールを目指した。自分のリズムを守り、徐々にピッチを上げながら、ホームストレッチへ。鞍上からGOサインが飛ぶと、ラスト1ハロン11秒5の伸びで応えた。走りづらい芝だったことを思えば、6ハロン78秒5、3ハロン35秒8は上々のタイムだ。
「今が成長期」。世話役の吉田厩務員が証言する。デビュー当初から見栄えのするバランスのよい体をしていたが、そこに必要な筋肉がついて、逞しさが出てきた。血統背景から「大きな所を狙える」と周囲に言われ続けてきた素材がいよいよ“本物”になってた。
近3走(2、2、3着)は重賞のステージで、いずれもメンバー最速の脚を駆り出し、自身の充実ぶりを実戦できちんと表現している。「お終いを生かす形がいいね。GIでも決め手を生かせるようになってきたんじゃないかな」。勝ち切れなくても四位騎手の評価は高い。
前走から1ハロン短縮する舞台。流れが速くなるのは折り合い面を考えればプラスだ。ジョッキーも「マイル戦だと前半でエキサイトする所があるから、1200や1400の距離はいいかなと思う」と前向きにとらえる。
この後は高松宮記念(3月29日、中京、GI、芝1200メートル)が待つ。「ここで勝ち負けしてくれないとGIうんぬんは言えないよ。GIへ最高の形で向かいたい」と四位騎手。初重賞勝ちを決めて本番へ…。期待に胸が躍る。(宇恵英志)
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