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天才の右手は“神の手”だ! 中央競馬の大一番、有馬記念(24日、中山、GI、芝2500メートル)の公開枠順抽選会が21日、東京・港区の品川プリンスホテルで行われ、キタサンブラック(栗東・清水久詞厩舎、牡5歳)は〔1〕枠(2)番に決まった。昨年((1)番)に次ぎ、キタサンにとって相性抜群の〔1〕枠を引き当てた武豊騎手(48)は「一番欲しかった枠」と笑み。北島三郎オーナー(81)とがっちり握手をかわした。絶好枠を手にしたGI6勝馬が、有終Vへ準備万端だ。22日、一部ウインズ(後楽園、新宿)で金曜発売を実施する。
“前哨戦”から堂々と主役を務めた。6番目に抽選のため登壇した武豊騎手が、右手で引き当てたのは(2)番。昨年の(1)番に続いて、神の手で希望通りの〔1〕枠をゲット。5戦4勝(2着1回)の白帽に、集まった約600人のファンからこの日一番のどよめきと拍手が起こる。主役は、盛り上がる観客を制するポーズで、「これ結果じゃないですから」とクールな笑み。会場で見守っていた北島三郎オーナーも両手を叩いて喜ぶ中、名手は枠順を記した紙にそっとキスをした。
「欲しかった枠です。一番欲しかったですね。きょうの仕事は果たせたと思います。毎年いい枠をいただいていますね」
3番目のヤマカツエースが、(1)番を先に引き当てた。それでも(2)番が「欲しかった」という名手の気持ちは本音だ。
内枠が有利であるコース形態に加え、(2)番はゲートが後入れになる偶数枠。天皇賞・秋でゲートに突進して出遅れたことを踏まえれば、ゲート内で待たされる時間が短くなることは大きなメリットだ。シュヴァルグラン、スワーヴリチャードなど有力馬が外めの枠になったのも追い風だ。武豊騎手は「出遅れる可能性はあるので、スタートをちゃんと出すことが大事ですね」と表情を引き締めた。
笑顔がたえなかった北島オーナーは「久しぶりにドキドキしました。武さんが、頑張っていいところを引いてくれました。本当にうれしかったです」とたたえ、「最後のレース、本当に頑張ってください。よろしくお願いします」とがっちり両手を握って思いを託した。そして「無事に走ってゴールしてくれれば満足。ゴールしたときに僕は泣いちゃうんじゃないかな。当日はみなさんの『歌え~』という雰囲気で歌ってしまうと思います。体調は大丈夫」と、今年は封印していた『まつり』の熱唱に意欲を見せた。
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