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歌手のさだまさしさんが好きで、車の中でも彼の歌をよく流している。たまにYouTubeで普段聞かない曲を聞くが、先日「ひとりぽっちのダービー」という曲にぶち当たった。一度も聴いたことがなかったのでどんな曲か気になり試しに聴いてみると、予想通り引退した競走馬の歌だった。観光客の子供を背に、海までの距離を行き来する使役馬の歌なのだが、聴いていてこの馬がものすごく気になった。
どうやら一回も勝てずに引退したっぽいが、曲中「怪我さえなければ」というフレーズが出てくるのだ。昔読んだ柔道漫画ですごい素質を持ちながら腰のケガが原因で最前線を退き、最後は本来自分が出たはずのオリンピックの強化選手の稽古相手として、バンバン投げられるキャラクターがいたが、その選手とその馬がダブり何とも言えぬ切ない気持ちになり、現役時代や血統背景が知りたくなったのだ。
調べたらその馬は「タカイサミ」という名前だった。それ以外殆ど何も判らなかったがもう一つ、生涯成績が7戦0勝だったことも分かった。分かったと同時に、さっきまで渦巻いていた切なさは一気に吹き飛び思わず呟いた。
「さださん……なんぼ何でも7戦0勝で“怪我さえなければ”は無くねぇか?(笑)」
競馬を知る人なら「7戦0勝」の馬の強さはわかるだろう。負けに負けまくり半分奇跡でダービーを勝ったと言われるウィナーズサークル(第56回ダービー馬)ですら、ダービー出走時は8戦2勝、皐月賞も2着だった。その馬、ケガがなくとも……と思ったのだ(笑)。
さて、無事であっても恐らく日本ダービー優勝まではどうだったか怪しいのは、さださんが出会った美しい馬だが、「怪しい」と言えば競馬だ。今週日曜阪神競馬場のメイン競走は朝日杯FSだが、予想に際し「怪しい」金言で勝ち馬に迫ってみよう。今週の金言を紹介する。
曰く「朝日杯は出世が怪しい連勝馬を狙え」。
サリオス、セリフォス、ドウデュースといった名馬を生み出した朝日杯FSだが、一方ではその後鳴かず飛ばずの「あんな馬」や「こんな馬」も輩出した不名誉レースの一つであり、割合としてはむしろ、その後活躍しない馬が好走するパターンが近年多く、そういう目で見れば勝ち馬候補が見えてくる。
トータルクラリティは2戦2勝。戦績は申し分ないが、出世馬の少ない新潟2歳S覇者で、明け3歳で引き続いての活躍が見込めるか? といえば、実はとんでもない大物の可能性もあるが、昨今の競馬の事情から冷静に考えると、その可能性はさして高くはなさそうだ。ココはメイチの勝負で、早熟ぶりを思う存分アピールして欲しい。
健康診断の問診で先生に訊かれた。
「のら~りさん、生活習慣を変える気はありますか?」
「あります!」
「運動は?」
「明日からします。」
「間食は?」
「今日からしません!」
先生、眼鏡越しにこっちを覗き、ニヤリと笑うと言った。
「……怪しいなぁ(笑)。去年も同じこと言ってますよ。」
アチャ~……(><)。
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