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「中央重賞懐古的回顧」の姉妹版。来たる地方交流G1の過去の優勝馬をピックアップして回顧し、各地の競馬場の舞台で輝いた馬を紹介する「地方交流G1懐古的回顧」。第6回は2003年の川崎記念優勝馬カネツフルーヴを取り上げる。
南関東公営のオールタイム・ベストとも称される、1986年生まれの名牝ロジータ。第二次競馬ブームの真っ只中に南関東三冠と東京大賞典を制し、翌1990年に引退レースの川崎記念を単勝元返しの期待に応えて8馬身ぶっちぎったことで半ば生ける伝説となった。今も昔も川崎に「ロジータ」と冠されている物は多く、言うなれば当地の象徴と化している。
そして引退後の話。牝祖として血統表に入ったロジータの遺伝力は凄まじいものがあり、代を経ても種牡馬がタニノギムレットだろうがルーラーシップだろうがベーカバドだろうがダートでそこそこ走る馬にしてしまう辺りは歴史的名牝の成せる業といったところ。直仔のカネツフルーヴにせよ、父親のパラダイスクリーク自身は種牡馬成績はともかく現役時は芝馬だったのだから、息子がダート向きに出たのは母ロジータの影響が色濃いのだろう。まさに血は水より濃いのだ。
そのカネツフルーヴは現役時に交流G1を2つ、2002年の帝王賞と2003年の川崎記念を制している。中央代表として地方の大将格であるトーシンブリザードやトーホウエンペラーを蹴散らした帝王賞もまずまず評価できるだろうが、6歳時に制した川崎記念の内容がまあ凄いのである。メンツはともかく、そのレースぶりが素晴らしい。
まだ日の短い、1月の夕刻の川崎競馬場。松永幹夫騎手を背に545キロの巨体を震わせて、緩みないペースで馬群を先導するカネツフルーヴ。最初の1100mのラップは66秒1。これはそのままの字面だと分かりづらいだろうが、100m地点から1100m地点の間の1000mのラップは59秒2だ。この芝並みの破滅的ハイペースは自ら刻んだカネツフルーヴもそうだが、追いかけた方もしんどいはず。さすがに上がり3ハロンは42秒1と鈍ったが、川崎の急カーブをタイトに回して終いまで緩めなかったカネツフルーヴは、前年覇者リージェントブラフの強襲を1馬身差抑え込み、見事な形で母仔制覇を飾った。
2003年当時はダート界に逃げ馬の強豪が多かったが、2001年の川崎記念優勝馬で同厩にして同い年の甥であるレギュラーメンバーは休養中でほぼかち合わず、生粋の逃げ馬スマートボーイは地方交流重賞を苦手としており、キャラの被るアルアランが急激に衰えたのはカネツフルーヴにとって幸運だったと言える。その後、ダイオライト記念とオグリキャップ記念をレコードで連勝して路線の王者として君臨したが、そのオグリキャップ記念のゴール直後に転倒して外傷を負った後は不振に終わった。引退後は種牡馬入りするも、ダートの活躍馬が顧みられづらい時代だったこともあり、晩年は不遇であった。
このように、「ロジータの息子」という血統背景以上に一頭の馬として魅力的であったカネツフルーヴ。しかし血とは因果なもの。件の川崎記念の3着馬は張田京騎手鞍上のジーナフォンテン。そしてその18年後の2021年の川崎記念の勝ち馬は…勝利ジョッキーといい、競走馬とは血の呪縛から逃れられないようだ。
カネツフルーヴ
牡 黒鹿毛 1997年生
父パラダイスクリーク 母ロジータ 母父ミルジョージ
競走成績:中央26戦6勝 地方11戦4勝
主な勝ち鞍:帝王賞 川崎記念 ダイオライト記念 オグリキャップ記念
(文:古橋うなぎ)
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