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週末に行われる中央重賞の過去の優勝馬をピックアップして回顧し、競馬の長い歴史の狭間できらめいた馬を紹介する「中央重賞懐古的回顧」。第23回は1998年の秋華賞優勝馬ファレノプシスを取り上げる。
あのナリタブライアンの4歳下のいとこにして、名種牡馬ブライアンズタイムが生み出した最優良牝駒であるファレノプシス。彼女が生涯で制覇した3つのG1のうち、時系列で言って2番目に当たるのが秋華賞である。だが誤解を恐れずに申し上げれば、この勝利は考えようによっては3つのG1勝ちの中で最もストーリー性が薄いかも知れない。
何しろ他が濃すぎる。逃げるロンドンブリッジをピタリと差し切った桜花賞はノースヒルズ勢初のG1制覇という意義がまずあったし、デビューから手綱を取った石山繁騎手を師匠の浜田光正調教師が泣く泣く降ろして武豊騎手にスイッチしたことで、その2年後のサイコーキララに繋がる“物語”が出来上がった。5歳時のエリザベス女王杯は言うまでもなく引退レース。前走比マイナス8キロの究極仕上げで臨み、松永幹夫騎手を背に後輩たちを降して勝ち取った。それらと比べると秋華賞の印象はどうしても薄い。ナリタブライアンの急死から約1ヶ月…と意味ありげにこじつけても、2頭は人的背景が異なるから弱いのだ。
しかし、2番人気に推されたこの秋華賞を眺めてみると、なかなかどうして面白いのである。開催が進んで踏み荒らされた京都内回りコースの中団外目を回り、鞍上の武騎手はインで構えた1番人気エアデジャヴーよりもかなり早くゴーサイン。この強気の競馬には道中2番手から抜け出して後続の追撃を凌いだ前走ローズSが布石となった。直線入口では最内で懸命に粘り込みを図るエガオヲミセテにグワッとにじり寄って競り落とし、後方から内目を立ち回って突っ込んできたナリタルナパークとその外へ出したエアデジャヴーをねじ伏せてゴールインする姿には、ただ「強い」という以外に言葉が出ない。
同父のナリタブライアンと同様に、ファレノプシスはあまり馬格の大きくない馬であった。それどころか入厩当時は馬体重が400キロ程度しかなく、華奢ですらあったという。しかしながら彼女のレースぶりは実に逞しい。故に時計の掛かる淀の芝を多少強引なほどに、なおかつ力感たっぷりに走り切ったのだろう。15歳下の末弟キズナの産駒もなかなかパワフルという印象があるが、ファレノプシスの場合は父親のブライアンズタイムの影響も大きそうだ。だがロベルト系特有の“燃え尽き症候群”に嵌ることなく、5歳秋のエリザベス女王杯にて再び大輪を咲かせたのは本当に立派と言える。
2001年初頭、京都競馬場にて引退式を終えたファレノプシスはまもなく生まれ故郷へ帰還。嫁入りの当初には先輩繁殖牝馬に“いじめ”の洗礼を受けたという彼女だが、結果として8頭もの牝駒が繁殖入りしたことでファミリーを広げている。念ずれば、やがて花咲く、胡蝶蘭。現役引退に際して花のランの業界団体から表彰される見込みだと報道されたほど、胡蝶蘭の学名から採られた「ファレノプシス」という馬名は鮮烈な印象を残した。そして、3歳時の活躍ぶりは誉れ高き“98世代”の牝馬最強に相応しいものであった。
ファレノプシス
牝 黒鹿毛 1995年生
父ブライアンズタイム 母キャットクイル 母父Storm Cat
競走成績:中央16戦7勝
主な勝ち鞍:桜花賞 秋華賞 エリザベス女王杯 ローズS
(文・古橋うなぎ)
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