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【阪神JF】奇跡の毛色ソダシ!白毛馬初のGI制覇へ弾んだ

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【阪神JF】奇跡の毛色ソダシ!白毛馬初のGI制覇へ弾んだ

 白毛馬初のGI制覇へ態勢は整った。2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズ(13日、阪神、GI、芝1600メートル)の追い切りが9日に行われ、無傷3連勝中のソダシ(栗東・須貝尚介厩舎)が滋賀・栗東トレセンの坂路を力強い脚さばきで駆け上がり、4ハロン54秒9を計時。競走馬として希少な白毛馬が偉業に向かって突き進む 

 朝日に照らされた真っ白な馬体がキラキラと輝いて見える。その美しさとは対照的な力強いフットワークで、白毛馬ソダシが栗東坂路を一気に駆け上がった。4週連続で調教にまたがった吉田隼騎手の表情は明るい。

 「先週の時点で動きも良くて、ある程度、息もできていました。なので、きょうは単走でサラッと。いい感じの追い切りができたと思います」

 2日の1週前追い切りは、CWコースで一杯に追われ、5歳馬に2馬身先着した。最終追い切りの時計は4ハロン54秒9と控えめだったが、全身を使ったリズミカルな動きから今の充実ぶりは伝わってきた。須貝調教師も「とにかく、この馬のリズムで行ってもらった。先週、先々週と強めをやって馬も(競馬が近いことを)分かってきているし、今週は調整程度。うまくいったんじゃないか」と胸を張る。

 3代母シラユキヒメから続く“白毛一族”の白毛馬として、デビュー前から注目を集めた。そして2走前の札幌2歳Sで白毛馬初のJRA芝重賞制覇。続くアルテミスSで重賞連勝と人気に実績もともなっている。今回勝てば、白毛初のGI制覇。未対戦のライバルも集まったが「一戦一戦でガラッと(馬が)変わることはないですが、初戦のしまいの伸びに比べると、反応など良くなっています」と吉田隼騎手は成長を実感している。

 2012年ローブティサージュ、13年レッドリヴェールとこのレース2勝のトレーナーは「競馬を知らない方々にも注目されるような馬になってほしいですね」という。牡牝ともに無敗の3冠馬が誕生するなど、競馬界にとって歴史的な年となった2020年。暮れの2歳GIで“白毛馬GI制覇”という新たな歴史が書き加えられるかもしれない。 (山口大輝)

阪神JFの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載

 ★吉田隼人TALK

 --ソダシの印象は

 「最初に乗せてもらったときから、完成度が高いな、と。初戦も大人びた競馬運びで、強い内容でした。白毛馬は口向きの難しさだったり、脚の運びが硬かったりする部分がありますが、ソダシはキャンターでも柔らかくて、いい馬だなと思います」

 --勝てば白毛馬として初のGI制覇

 「すごいことだと思います。強い馬とやるわけですし、勝てれば素晴らしいこと。頑張ってもらいたいと思います」

 --レースでのイメージは浮かんでいる

 「周りの音に敏感で、反応のいい馬なのでスタートはいいと思います。あとはリズムよく運べれば。(ポジションなど)決めつけないで乗りたいですね」

 --騎手自身も勝てば5年ぶりのGI勝利

 「休みの日も、競馬や調教で『こういうふうにやればうまくいくんじゃないか』と考えているし、とてもワクワクしています。人馬ともに精いっぱい頑張りたい」



 ◆白毛…鹿毛、黒鹿毛、青鹿毛、青毛、芦毛、栗毛、栃栗毛、白毛と8種類あるサラブレッドの毛色のうちの一種で、産駒数は最も少ない。芦毛は加齢とともに白くなるが、白毛は誕生時から白い。世界で最初に白毛馬が登録されたのは米国馬ホワイトクロス(1896年生まれ)。日本では1979年にハクタイユー(父=黒鹿毛、母=栗毛)が突然変異で誕生し、産駒のハクホウクンが97年に大井競馬で白毛馬として初勝利。JRAでは2007年にホワイトベッセル(ソダシの伯父)が初勝利。昨年のレパードSハヤヤッコがJRAダート重賞初制覇を飾った。

 8日現在、JRAで馬名登録されている8188頭のうち、白毛馬はわずか8頭。全体の0.097%という少なさにもかかわらず、ソダシを含めて7頭が勝ち上がっている。なお、白毛馬は2000年以降のJRAで勝率15.7%、連対率25.0%の高数値。他の毛色の馬がそれぞれ勝率7%台、連対率14~15%台であることからも、その活躍ぶりが分かる。



 ◆馬名の意味 ソダシとは、サンスクリット語(梵語)で「純粋」「輝き」。



 ◆ソダシの祖母から広がる白毛一族 白毛馬はごくまれに突然変異的に誕生する。現在もっとも繁栄している白毛牝系の祖にあたるシラユキヒメは1996年、父サンデーサイレンス(青鹿毛)、母ウェイヴウインド(鹿毛)という白毛とは関係ない毛色の両親から誕生し、現役時9戦未勝利。その後の弟や妹たちに白毛馬はいない。馬主は、ディープインパクトを筆頭に数多くのGI馬を所有してきた金子真人氏。繁殖牝馬として12頭の子供を出し、うち10頭が白毛。3番目の子ユキチャン(父クロフネ)が交流重賞を3勝した。

 昨年のレパードSで史上初めて白毛馬でJRA重賞を制したのがハヤヤッコ(美浦・国枝栄厩舎、牡4)で、その母マシュマロはシラユキヒメの6番目の子だ。ソダシの母ブチコは9番目の子で、ぶち模様の入った珍しい白毛馬として現役時代はJRAで4勝と活躍した。また、白毛ではないが阪神JFに出走するメイケイエールの祖母はユキチャンだ。

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