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密着取材でGI勝ち馬を探る連載『東西現場記者走る』で有馬記念は大阪サンスポの山口大輝記者(28)が担当。『アーモンドアイに勝つ馬を見つける』をテーマに、枠順抽選会が行われた4日目は、展開の鍵を握る5歳牝馬アエロリット陣営を直撃した。前々走以来、2度目の騎乗となる津村騎手は「自然とハナに立つ形になると思う」と“逃げ宣言”。19日夕方に決まった〔8〕枠(15)番から快速を発揮しそうだ。
前日は、栗東トレセンからの移動中のJRで人身事故が発生。1時間ほど到着が遅くなったが、気を取り直して、木曜日は美浦トレセンで関東馬を取材だ。
有馬記念が行われる中山芝2500メートルは、外回りの3コーナーからスタートし、1周目の4コーナーまでが193メートルと短いため、内枠有利が定説。コーナーを6度も回ることもあり、枠順が結果を大きく左右することは間違いない。だからこそ、枠順抽選会が行われるこの日に取り上げたかった馬がいた。
ハナ争いをするであろうアエロリットが、引退レースでどういう競馬をするか-。それによって、レースの流れも大きく変わるはずだ。まず、手綱を取る津村騎手を直撃。ポジションは? 刻むペースは?
「同型がいますけど、自然とこの馬がハナに立つことになると思います。それぐらい前向きさがあり、スピードも違う。ためて逃げることにもならない。この馬にとっても平均的に流れた方がいいと思いますしね」
先手争いに関しては、自信の“逃げ宣言”。火曜付連載で取り上げたキセキの清山助手が「(同型馬の存在は)番手につけられる今(のキセキ)ならプラス」と話していたが、こちらも負けじと「そういう陣営がいるならこちらも運びやすいし、ありがたいですね」と笑みを浮かべた。
午後5時の開始に合わせ、品川プリンスホテルへ移動。次々と馬名が呼ばれるなか、アエロリットは14番目に登場。津村騎手が引いた馬番は〔8〕枠(15)番!! まさかの外から2番目となり、ジョッキーは「残念です」。ただ、抽選会後に菊沢調教師を直撃すると意外な答えが返ってきた。
「この馬は大跳びだし、とにかく自分のリズムで行けることが一番。むしろ、外枠が欲しかったんだよ」と終始、上機嫌だった。さらに元騎手らしい心理面の分析も。「内枠だと『出していかないと』という気持ちになったりする。外ならノンプレッシャー。津村には『思ったように乗ればいい』と話しておいたよ」と解説してくれた。
〔8〕枠、先行馬、牝馬といえば2008年に逃げ切ったダイワスカーレット(14頭立て(13)番)が思い出される。再現となるか-。連載は折り返し地点を迎えたが、また1頭、頭を悩ませる存在が出てきた。(山口大輝)
★有馬記念の枠順はこちら 調教タイムも掲載
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