今年最初のJRA・GIは福永騎乗の2番人気
カフェファラオが、好位から抜け出してV。東京のダート1600メートルはこれで4戦4勝となり、
コパノリッキー以来、史上2頭目の連覇を達成した。福永騎手は26年連続重賞勝ちで歴代4位の記録に並んだ。2着に5番人気
テイエムサウスダン。白毛のアイドルホース・
ソダシは4番人気で3着だった。1番人気
レッドルゼルは伸びきれず6着まで。
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昨年の覇者と、大けがから復帰した鞍上が高らかに復活を告げた。
カフェファラオが1年ぶりの勝利で2014、15年の
コパノリッキーに続く史上2頭目の連覇を達成。1分33秒8(重)の勝ちタイムはレースレコード&コースレコードタイの快記録だ。
「ポイントはスタートだと思っていました。3番手を取れた時点で『これで負けたら仕方ない』と。最後まで馬から気持ちをそらさないようにしました。復帰後の7勝目で一番冷静に乗っていたと思います」
26年連続の重賞VをGIで飾った福永騎手はゴール後に何度もガッツポーズを作り、喜びを爆発させた。16日の追い切りで初めてまたがり、気ムラな性格を確認。砂をかぶらないよう、スタートに“全集中”した。1歩目はそれほど速くなかったが、すぐに絶好のポジションを確保。抜群の手応えで直線を向くとラスト1ハロンで満を持して先頭へ。最後は2馬身半差をつける完勝劇だった。
12月の
香港スプリントで落馬骨折し、休養中に届いた今回の騎乗依頼を、意気に感じないはずがない。「信頼していただいている証し。しっかり状態を作らないといけないと強く思いました。いい仕事ができたと思います」と復帰3週目でのGI制覇に胸を張った。
堀調教師は「馬が頑張って走ってくれたし、ジョッキーも最高にうまく乗ってくれた」と人馬に最敬礼。この日は大きさの違う3種類のチークピーシズを用意し、最終的には昨年と同じものを装着して臨んだ。「去年よりメンタルが一定のリズムで走れていたし、走りの質も良かった」とたたえた。
今後は未定だが世界も視野に。ドバイワールドC(3月26日、メイダン、GI、ダ2000メートル)や、優先出走権を得た
ブリーダーズCクラシック(11月5日、
キーンランド、GI、ダ2000メートル)などが候補になりそうだ。「速いタイムで走れる馬。距離は問題ないし、バランスがいいのでワンターン(しか走れない馬)のフォームではない」と福永騎手も可能性を感じている。東京の王から世界の王へ-。
カフェファラオの進撃は止まらない。(漆山貴禎)
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カフェファラオ 父アメリカンフェイロー、母マリーズフォリーズ、母の父モアザンレディ。鹿毛の牡5歳。美浦・
堀宣行厩舎所属。米国産。馬主は西川光一氏。戦績11戦6勝(うち地方2戦0勝)。獲得賞金3億2879万5000円(うち地方350万円)。重賞は2020年GIII
ユニコーンS、GIII
シリウスS、21年GI
フェブラリーSに次いで4勝目。
フェブラリーSは
堀宣行調教師が昨年に次いで2勝目。
福永祐一騎手は2005年
メイショウボーラーに次いで2勝目。馬名は「冠名+父名より」
★売り上げ、入場者数…
フェブラリーSの売り上げは156億6193万9400円で前年比117・9%とアップ。入場者数は1万2071人(うち有料入場1万1556人)だった。
★
福永祐一騎手…2005年(
メイショウボーラー)以来17年ぶりで、通算2勝目。JRA・GIは21年
ジャパンC(
コントレイル)以来で、通算33勝目。18年から5年連続JRA・GI勝利となった。初コンビでのJRA・GI勝利は21年
天皇賞・春(
ワールドプレミア)以来で、通算3勝目。JRA重賞も昨年の
ジャパンC(
コントレイル)以来で、通算158勝目。1997年から26年連続でのJRA重賞勝利となった。
★
堀宣行調教師…2年連続で通算2勝目。JRA・GIは本馬による21年
フェブラリーS以来で、通算14勝目。JRA重賞は先週の
共同通信杯(
ダノンベルーガ)に続く今年2勝目、通算64勝目。
★アメリカンフェイロー産駒…2年連続で通算2勝目。JRA・GIも本馬による21年の
フェブラリーS以来で、通算2勝目。JRA重賞も本馬による21年の
フェブラリーS以来で、通算4勝目。
★馬主・西川光一氏…2年連続で通算2勝目。JRA・GIも本馬による21年の
フェブラリーS以来で、通算2勝目。JRA重賞も本馬による21年の
フェブラリーS以来で、通算6勝目。
★生産者Paul P・Pompa…2年連続で通算2勝目。JRA・GIも本馬による21年の
フェブラリーS以来で通算2勝目。JRA重賞も本馬による21年の
フェブラリーS以来で、通算4勝目。
★外国産馬の勝利…20年(
モズアスコット)、本馬による21年と3年連続で、通算7回目。
★5歳馬の勝利…19年(
インティ)以来3年ぶりで、通算12回目。5歳馬のワンツー決着は15年(1着
コパノリッキー、2着
インカンテーション)以来7年ぶりで、通算2回目。
★レースレコード…勝ちタイム1分33秒8は16年に
モーニンが記録した1分34秒0を0秒2更新するレースレコード。
★冬季五輪開催年…本レースがGIとなった97年以降、冬季五輪開催年は7回あり、98年を除く直近の6回はいずれも5歳馬が連対する結果となった。
★20日東京11R「
フェブラリーS」の着順&払い戻しはこちら