第66回
ラジオNIKKEI賞(2日、福島11R、GIII、3歳オープン国際(特指)、ハンデ、芝1800メートル、1着本賞金3800万円=出走12頭)
石川裕紀人(ゆきと)騎乗で2番人気の
セダブリランテスが、直線で
ウインガナドルとの叩き合いを制してデビューから3連勝。4年目の鞍上とともに重賞初制覇を飾った。父
ディープブリランテも産駒の初タイトルとなった。タイム1分46秒6(良)。57キロのトップハンデで1番人気の
サトノクロニクルは6着に敗れた。
55回の悔し涙はこの1勝で吹き飛んだ。2番人気の
セダブリランテスがデビュー3連勝で重賞初勝利。石川騎手にも56度目の挑戦で初めての重賞タイトルをもたらした。
「自分の中では、かなり遅くなってしまいましたが、とても気持ちいいです」
2014年のデビューから、関東の若手として頭角を現しながらも勝てなかった重賞だけに、ジョッキーのかみしめるような言葉には実感がこもっていた。
「この馬は重賞を勝てる」とレース前から公言していた石川騎手。その自信と気合が、前半から積極的に位置を取りに行く場面に表れていた。外枠から3番手のポジションをキープ。3~4コーナーで一瞬、反応が悪くなったが早めに前を捕らえに出た。逃げ粘る
ウインガナドルをゴール寸前にかわして、念願のトップゴール。石川騎手は昨年、
ダイワドレッサーで2着に敗れているだけに、そのリベンジも果たした。
「大型ですが、器用な競馬ができる馬。決め手のある馬がきたらどうかな、と思ったけど意外とペースが流れていましたからね。自信を持って乗れたし、直線もよく伸びてくれました」
小回りの福島コースで、先行力としぶとさを生かし切った。21歳の表情には責任を果たせたことへのほっとした様子が見て取れた。
これで3戦3勝。いったん放牧に出るが、「促したぶんだけ行く馬だから、距離が延びても大丈夫そう。今後は
菊花賞も含めて考えていきたい」と手塚調教師が膨らむ将来像を話すと、石川騎手は「無敗だし、未来のある馬。一緒に頑張っていきたい」と、この馬とのさらなる飛躍を誓う。
セダブリランテスと石川騎手。若い人馬の物語は、まだ始まったばかりだ。 (柴田章利)
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セダブリランテス 父
ディープブリランテ、母シルクユニバーサル、母の父ブライアンズタイム。鹿毛の牡3歳。美浦・
手塚貴久厩舎所属。北海道白老町・(有)社台コーポレーション白老ファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。戦績3戦3勝。獲得賞金5570万7000円。重賞初勝利。
ラジオNIKKEI賞は
手塚貴久調教師は2005年コンラッドに次いで2勝目、
石川裕紀人騎手は初勝利。馬名は「鮮やかに輝くシルク(スペイン語)。父名、母名より連想」。