【TAROの競馬研究室】新潟記念展望/近くの枠の馬が一緒に走りやすいレース
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先週行われたキーンランドカップは、3歳牝馬レイハリアが好位から抜け出し重賞連勝。初の古馬との対戦だったが、相変わらずの立ち回りの上手さを見せつけた。
父はロードカナロア。ロードカナロア産駒は馬群を苦にしない器用なタイプが多く、アーモンドアイやダノンスマッシュといった一流馬にも共通する特徴だ。レイハリアもスタートが上手く自在に立ち回れるのは、多頭数のスプリント戦で大きな武器になる。
個人的には最終的に本命にした◎カイザーメランジェが粘ってくれれば最高だったのだが、思いのほか先頭に立っていたメイケイエールが早めにバテてしまったのが誤算だった。
もっとも、決してメンバーレベルは高くなく、キーンランドカップの組がスプリンターズSでも通用するかというと微妙なところ。どうやらレイハリアは出走しない公算が高いようだが、その他の敗戦組も、本番では苦戦を強いられるかもしれない。
~近くの枠の馬がまとめて来て波乱になりやすい
さて、今週末は新潟記念。いよいよ夏のローカル開催最終週となる。このレースにはもう何年も前からずっと指摘し続けている、変わらない特徴がある。それは、
「近くの枠の馬がまとめて来る」
ということである。過去の上位3頭を馬番で並べると…
2013年 4番→9番→8番
2014年 13番→16番→15番
2015年 3番→6番→4番
2016年 17番→14番→12番
2017年 1番→11番→7番
2018年 1番→5番→4番
2019年 7番→5番→6番
2020年 17番→5番→16番
全体に近くの枠の馬が一緒に来ているのがよくわかると思う。特に2015年は3→6→4で3連単は38万馬券、2019年は7→5→6で3連単10万馬券と穴馬券もしばしば発生している。
これは新潟外回りの特徴で、とりわけ2000mの場合は隊列次第で内有利にも外有利にもなり得る。内の馬が外に張り出してくれば、外枠の馬は大きく外に振られて絶望的なロスを被るし、逆に外の馬が馬場の良いところをスムーズに通ると、内の馬は終始馬場の悪いところを通らされてしまう。
これは新潟記念のみならず同コースの新潟大賞典などでも見られる特徴で、少々古い話だが2004年の同レースでは外ラチ沿いしか伸びない今の直線競馬のようなレースになり、16番→15番→13番の決着。当時も今もコースの傾向は変わらないというわけだ。
今週末の新潟芝の馬場状態がどのようになるかはわからないが、馬券を買う際は近くの枠の馬をヒモに入れる…といった工夫をすると良いかもしれない。
~新潟記念の注目馬
さて、ココではいつも通り週末の重賞の注目馬を一頭挙げておきたい。今回は新潟記念。
・ヤシャマル(菅原明騎手)
初の重賞挑戦となった前走のエプソムカップは、出負け気味のところから仕掛けてしまい、直線は伸び切れず。細かい出し入れをできる騎手でなかったことから荒っぽいレースになってしまったが、それでも0秒7差の9着ならまずまずといえるだろう。距離延長はプラスで、今回は菅原明騎手にスイッチされるのもプラス材料。もう少しゆったり運べれば、持ち味のしぶとい末脚が生きるはずだ。
※新潟記念の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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くりーくの中間調教チェック 2019アイビスサマーダッシュ
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こんにちは、くりーくです。このコラムでは、今週行われる重賞競走の中間の調教内容を中心に分析してご紹介します。私の予想の基幹部分でもある調教分析術を是非あなたの予想にお役立て下さい。
今回も前走からの中間の調整内容(評価はA~F)を中心に各馬コメントをしていきたいと思います。
7月28日(日) 新潟11R 第19回アイビスサマーダッシュ(3歳以上G3・芝1000m)
【登録頭数21頭】(フルゲート18頭)
ラブカンプー(D)
今年の春は調教内容も動きも悪く、調子がイマイチだった。この中間は回復の兆しは感じられるが、昨年のような勢いはない。
ダイメイプリンセス(A)
昨年の勝ち馬で直線1000mは3戦3勝。この中間は坂路での時計が良くなってきており、得意の条件に向けて調子も上がってきている感じ。
カイザーメランジェ(C)
前走重賞勝ちも、6頭が除外となったレースでのもの。函館からの輸送もあり、マイナス材料は多い。
ナインテイルズ(C)
昨年3着馬。調教では速い時計の出る馬だが、この中間はこの馬にしてはやや時計がかかり気味で、物足りないところあり。
ビップライブリー(C)
前走時は坂路、CWでかなりの好時計が出ていて調子が良さそうだったものの、パドックではまだ馬体に余裕がある感じ。その意味で今回は、上積みがありそう。
ラインスピリット(B)
このレースへは2年連続出走していて6着、5着の成績。休み明けのCBC賞時は3週連続強めに追われていたが、終いの時計がかかっている印象で、パドックでも動きが硬く映った。この中間は、1週前に好時計が出ていて上積みを感じさせた。前走を使われての硬さが取れてくるようなら、好走も期待できる。
ライオンボス(C)
今年春の新潟では直線競馬2連勝、それまでの2勝もダート1000mでのもので、直線競馬と言うよりは1000m戦自体が向いているのかもしれない。前走後は、ここを目標に調整されているが、工事中のため南Wでの調教ができずPコースでの調整。もともとそれほど目立つ時計の出る馬ではないが、連勝中の勢いを感じるほどの内容でもない。
トウショウピスト(F)
栗東所属時はCWでは好時計が出ていても、坂路ではそれほど目立つ時計は出せていなかった馬。美浦転厩後は坂路中心に調教されてきているが、終いの時計がかかってしまっている。今回初の千直参戦となるが、このコースに向いているようなタイプではなさそう。
ミキノドラマー(D)
毎年出走したレースの半分以上が直線競馬というくらい、舞台経験豊富な一頭。休み明けのこの中間は、北Cコースでの追い切りということもあるとは思うが、物足りない調教内容。休み明けでの勝利もあるが、どちらかと言えば叩き2戦目の千直での好走のイメージが強い。
アルマエルナト(D)
5月の韋駄天S4着以来と直線競馬を待っての出走も、南Wコース工事中のため芝コースで追われての調整過程。普段南Wで好時計の出る馬がマークした内容としては今回の芝コースでの時計はかなり物足りなく、前走の走りは期待できない。
オールポッシブル(D)
近走は前に行ってもバッタリ止まってしまうレースが続いている。前走時は坂路でかなり良い時計が出ていたが、この中間は中1週とはいえ時計になるところを出しておらず調子が良いと言える感じはない。今回1000m戦も直線競馬も初めてだが、適性の前に調子が良くならないと厳しそう。
シベリアンスパーブ(B)
前々走、前走時と南W、坂路で好時計が出ていて、調子自体は悪くなさそう。この中間も、中1週でもレース翌週の火曜日から坂路で軽めに乗られていて、速い時計こそ出していないが疲れは感じさせない。最終追い切りで好時計が出るようなら注意したい。
レジーナフォルテ(B)
休み明けの春雷S時は、パドックでもかなり良く見えて2着に好走。2走前の新潟ではかなりイレ込んでいて、前走バーデンバーデンC時はパドックでお腹のあたりが緩く映った。ここ2戦は、そのあたりが影響していたかもしれない敗戦内容。ただ前走時は調教では好時計が出ており、叩かれての中1週で今回馬体が締り、最終追い切りで好時計が出ているようなら、ここ2年3着、4着と好走しているレースなので軽視はできない。
アンフィトリテ(F)
デビューから3連勝した馬だが、その後2度の長期休養を挟んでの2戦消化でここへ。ただ、調教時計も良化に乏しく、パドックでの歩様もぎこちない。今回中1週でのレースだが、まだまだ時間はかかりそう。
ショウナンアエラ(D)
この中間は栗東で調整されており、小倉の佐世保Sに出走する予定。ただこの間隔なら1週前に速い時計を出していても良さそうなところ、栗東坂路で軽めの調整なので、まだビッシリ追える状態にはないのかもしれない。
フェルトベルク(E)
3月から使い詰めできていて、前走時もこの中間も物足りない時計しか出ていない。状態面での不安あり。
ブロワ(E)
直線競馬には5回出走しているが8着が1回であとは2桁着順で、全て勝ち馬から0.8秒以上離されている状況。この中間も間隔が空いている割に、速い時計は1週前のPコースでの追い切り1本のみと少なく、ガラッと変わる感じはない。
<以下、抽選対象馬(1/2)>
カッパツハッチ(A)
今年4戦は好成績で、昨年の調教時計との比較でも今年は南W、坂路と好時計が出ていて調子がかなり良さそう。この中間も乗り込み豊富で、3週前から速い時計で追い切られている。勢い、状態と、今年のメンバーでは一番。
レッドラウダ(A)
直線競馬の常連と言っても良いくらい、このコースで多く走っている馬だが、かなりムラがある。ただこの中間は坂路で良い時計が多数みられていて、近走の中では最も良い状態で出走できるかもしれない。
<以下、除外対象馬>
ゲンキチハヤブサ(D)
長期休養明けの韋駄天Sでは初めての直線競馬で5着の好走。ただその後の2戦、この中間と目立つ時計は出ておらず、その時よりも良くなっている感じはない。
プッシュアゲン(F)
先週函館で出走して15着。出走するにしても北海道から新潟への輸送があり、普通に考えても移動するだけで疲れてしまう。
◇今回はアイビスサマーダッシュ編でした。今週からは札幌、新潟、小倉と3場すべて開催場が変わります。とりわけ新潟開催のひとつの魅力であり、今回のアイビスサマーダッシュの舞台でもある直線芝1000m戦に関しては、現在発売中の『競馬の天才!8月号』でも取り上げたように、私個人としても気合の入る条件。誌面では、限られたスペースの都合上調教面から狙える馬についてシンプルにまとめていますが、好走する馬たちの特徴などを掴んで頂ける内容になっているのではないかと思っていますので、ぜひ参考にしてもらえたらと思います。千直競馬は、新馬戦以外の2歳未勝利戦からG3アイビスサマーダッシュまで、1日1レース限定で様々な条件で行われていきますので、陸上の100m走を見るような感覚で、あの独特の雰囲気を楽しんで頂きたいと思っています。
それでは次回、札幌記念編でお会いしましょう。(^_-)-☆
※アイビスサマーダッシュ出走各馬の最終追い切り評価については、最終予想内でコメントする予定です。
※最終結論はレース当日のくりーくプロページでチェックしてください。
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