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日経賞の出走馬について、 血統的な舞台適性の有無を1頭ずつシンプルに考察していきます。 予想の際にお役立てください。
①アルター
中山芝2500mはスタミナと同時にダートの潜在適性を求められやすい舞台。ゆえに、芝・ダート兼用でスタミナに長けている父ネオユニヴァースはプラス。対照的に母父ヴァイスリージェント系の中山芝2500mの成績が芳しくない点は不安材料。上がりがかかる競馬になれば、父の良さを活かせるかもしれないが……。
②ショウナンバッハ
父ステイゴールドは中山芝2500mと好相性。持続力を持ち味とする母父のプリンスリーギフト系も当舞台の適性が高い。サクラバクシンオーの現役時のイメージにこだわりすぎると痛い目を見ることもあるので、要注意の血筋と言えよう。
③チェスナットコート
先述したように母父ヴァイスリージェント系の相性がすこぶる悪い点は気がかり。ただし、当該コースはトニービン(グレイソヴリン系)の血を持つ馬の活躍が顕著で、父ハーツクライは日経賞の好走血統のひとつ。父の特長である機動力を引き出すことができれば、母父の悪影響を打ち消して上位に食い込む可能性はある。
④ロードヴァンドール
今回と同じ舞台の有馬記念で3着に食い込んだ父ダイワメジャーは好印象の半面、母父ストームキャットは中山芝の長距離だと若干スタミナに欠ける感。父のスピードを活かして高速決着に持ち込むか、あるいはタフさが身上の母母父リボー系の血を引き出すか、どちらかの血筋の特長を活かすことが上位進出の必須条件となる。
⑤ナスノセイカン
ロードヴァンドールと同様のサンデーサイレンス系×ノーザンダンサー系の配合だが、こちらは父がハーツクライ、母父はリファール系のホワイトマズルでスタミナ面の不安はない。ただし、母母父であるリボー系・タイトスポットの特性が良くも悪くも受け継がれているようで、爆発力を備えると同時に、ムラ駆け仕様も確立されている様子。キッカケひとつで、いつ走ってもおかしくないだけに怖い1頭ではある。
⑥ノーブルマーズ
父はトニービン直仔のジャングルポケット。母父はスタミナに長けたロベルト系で、それなりの舞台適性は持ち合わせているとみていい。半面、スタミナとパワーに偏りがちな血統構成で瞬発力勝負になると厳しい印象。持ち味を活かすためには、上がりを要する消耗戦に持ち込むしかない。
⑦トーセンバジル
キレ味よりも長く良い脚を使える馬が幅を利かせやすい中山芝2500m。ゆえに、持続力が身上のハービンジャー産駒というのは好材料。芝・ダート兼用タイプである母父フジキセキの血脈も悪くない。ただし、速い上がりの競馬では取りこぼしが目立つ配合でもあるので、その点については注意を払いたい。
⑧サイモントルナーレ
父はダート特化型のゴールドアリュール。ダート適性を求められる舞台とは言え、芝の長距離G2では少々無理がある。母父アフリートも強調性に欠けるため、血統面からはプラス要素を見出せない。
⑨ゼーヴィント
母父ロベルト系の系統そのものは相性がいいのだが、経年劣化もあってかブライアンズタイムの当舞台における成績は下降線の一途。ゆえに、父ディープインパクトの血を存分に活かせる瞬発力勝負になることが、上位争いに加わるための最低条件と言えよう。
⑩ピンポン
父と母父は先述したナスノセイカンと同じ。ただし、同馬は母母父がアンバーシャダイで、より日本テイストの仕様になっている。額面上の血統構成だけなら十分な舞台適性を持ち合わせていてもおかしくないが、近親や兄弟を見るとダートに良績が集中している馬がほとんど。今回は厳しい戦いになるかもしれない。
⑪サクラアンプルール
キングカメハメハ×サンデーサイレンスで、芝の主流血統同士の組み合わせ。だが、根幹距離と異質の中山芝2500mでは当たり障りのないノーマルな成績に落ち着いている。強調できる点をあえて挙げるのであれば、ノーザンダンサーのクロスを備えているところ。キングカメハメハの身体能力と、スタミナ&持続力に秀でたノーザンダンサーの血がマッチするようであれば、同馬の新たな一面を引き出す可能性も考えられる。
⑫ガンコ
父は中山芝中~長距離で安定した成績を残しているステイゴールド系のナカヤマフェスタ。母父のサドラーズウェルズ系も当舞台を得意としている。血統背景だけならメンバー屈指とも言える存在で、これまで以上のパフォーマンスを見せても、何ら不思議はない。
⑬アクションスター
母父のロベルト系は悪くない半面、スピード型サンデーサイレンス系の父アグネスタキオンがこの舞台にマッチしない。3代内の血脈を確認しても特筆できるようなところは見当たらない。苦戦必至だろう。
⑭キセキ
トニービン内包のルーラーシップを父に持つ点は好感を持てる。一方で、母父のディープインパクトはさておき、母母父のドクターデヴィアスの舞台適性については疑問が残る。欧州血統である点は歓迎だが、中距離と長距離のどちらの適性が高いかと言えば前者のほう。長距離で実績を残している馬は、牝馬もしくは道悪競馬によるものが大半。現時点におけるキセキの良績も例外ではない。無論、ディープインパクトの良さが出れば、こうした不安も杞憂に終わるのだろうが……。
⑮ソールインパクト
母父ダンチヒ系のパワーと、母母父ダマスカス系の粘り強さが同馬の追ってバテないスタミナ面につながっている印象。ひとつズレるとダート専科になりかねない血脈ではあるが、芝でも対応できるのは父ディープインパクトの卓越したスピードの賜物だろう。その観点で鑑みると、パワーとスタミナを求められる中山芝2500mは悪くないはずだ。
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