東京の土曜メインはダートのGIII、
武蔵野S(14日、ダ1600メートル)。先週の
みやこSに続き、1着馬にチャンピオンズC(12月6日、中京、GI、ダ1800メートル)の優先出走権が与えられる重要な一戦だ。
マリーンS、
エルムSと連勝中の
タイムフライヤー(栗東・
松田国英厩舎、牡5歳)が主役を担う。2017年にGIの
ホープフルSを1番人気で快勝してクラシックでも注目を集めたが、その後の成績は振るわず、勝ち星からも遠ざかっていた。だが、昨年の
エルムSでダートに転向すると徐々に力をつけ、今年のマリーンSで約2年半ぶりの勝利を挙げた。現在、JRA重賞騎乗機会3連勝中のルメール騎手が引き続き手綱を取ることも心強い。1週前追い切りでもルメール騎手が騎乗し、栗東のCWコースで6ハロン80秒8の好タイムをマークと調整は順調のようだ。昨年、8番人気で0秒2差の2着だった雪辱を期す。
同じく二刀流で芝ダート両方のGIを制した
モズアスコット(栗東・
矢作芳人厩舎、牡6歳)も当然、好勝負になるだろう。前走の
マイルCS南部杯はしぶとく粘りながらもクビ差の2着に敗れたが、2月に勝ったGI
フェブラリーSと同じ舞台なら再び好走は必至。59キロの斤量を克服できるかが鍵になる。
18年覇者の
サンライズノヴァ(栗東・
音無秀孝厩舎、牡6歳)は
マイルCS南部杯4着からの巻き返しを図る。いつも通り、いい位置につけて直線でもしっかり脚を使っていたが、前残りの影響を受けた。58キロを背負うが、59キロを背負った
プロキオンSを勝っており、力は十分発揮できそうだ。
昨年の勝ち馬
ワンダーリーデル(栗東・
安田翔伍厩舎、牡7歳)も
マイルCS南部杯5着から巻き返しを期す。前残りのレースで1頭だけ、上がり3ハロン34秒2の脚で健闘したことは評価できる。騎乗した横山典騎手は「休み明けにしては良かったんじゃないですか」と話しており、一度使われた上積みがありそうだ。
レパードSを逃げ切った
ケンシンコウ(美浦・
小西一男厩舎、牡3歳)も楽しみな存在だ。2着馬に2馬身半差をつけて、勝ち時計の1分49秒2はこれまでのタイムを0秒3更新するコースレコードと完勝だった。今回と同じ府中のダートマイルで行われた2走前の
ユニコーンSでは3着に敗れているが、出遅れが響いた。それでも最後はしっかりと脚を使っており、スタートを決めれば好勝負は可能だろう。
デュードヴァン(美浦・
加藤征弘厩舎、牡3歳)は前走の
レパードSで1番人気に推されながらも、1ハロンの距離延長が響いて4着に敗れた。初めて年長馬と対戦するが、最重量の
モズアスコットが59キロに対し、55キロで出走できるのは魅力。4戦3勝、2着1回と得意の東京1600メートルに舞台を戻して重賞初制覇を狙う。
芝の重賞3勝馬
エアスピネル(栗東・
笹田和秀厩舎、牡7歳)は約1年ぶりの実戦、かつ初ダートとなった2走前の
プロキオンSで2着と適性を示したが、次の
エルムSでは直線で伸びを欠いて7着に敗れた。騎乗した
武豊騎手はレース後、「ダートならもう少し湿った馬場の方が良さそう」と話しており、当日の馬場状態もチェックしたい。
19年
スプリングS覇者の
エメラルファイト(美浦・
相沢郁厩舎、牡4歳)はダート戦初出走。父
クロフネは01年
武蔵野Sの覇者で産駒もダート巧者が多数で、適性はありそうだ。
他にはラジオ日本賞勝ち馬の
レピアーウィット(美浦・
堀宣行厩舎、牡5歳)、
シリウスS5着の
メイショウワザシ(栗東・
南井克巳厩舎、牡5歳)なども上位をうかがう。
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