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第145回天皇賞・春(29日、京都11R、GI、4歳上オープン国際(指)、定量、芝・外3200メートル、1着本賞金1億3200万円=出走18頭)京都競馬場に詰めかけた8万人がどよめいた。2周目3コーナー。後方3番手のオルフェーヴルは、池添謙一騎手が必死に手綱を動かしても前に進まない。直線で大外に出しても伸びがなく、これまでで最悪の11着(同着)。単勝1・3倍に支持された“4冠馬”は、外に逃げて2着に敗れた阪神大賞典の汚名を返上することができなかった。
「馬の後ろに入れたら折り合いはついたけれど(3コーナー手前の)坂の上りで動かしていっても、いつもの反応がなくて」と冴えない表情の池添。そして「(最後の)直線でもだいぶ脚を取られて、4、5回くらい、つまずくような感じになった」。今の京都の芝は速い時計が出るが、芝の丈が長い特殊な状態。その芝に戸惑ってしまったのが敗因のひとつだ。
さらに「返し馬で、いつもの柔らかいフットワークではなかった」。阪神大賞典の後は調教再審査に向けて、栗東のEコース(ダート)での調教を繰り返し行ってきた。馬場が硬いダートでの調教で、見えない疲労が蓄積したのかもしれない。
縦長の展開も災いした。2周目3コーナーでも先頭まで20馬身以上の差があったが、前に壁を作って折り合いたいオルフェーヴルは動くに動けない状況。「前が見えなくて嫌な展開だと思っていた」と池添は振り返る。だが、それだけ多くの要因が重なったにしても、見せ場すら作れなかったことは不可解だ。
池江寿調教師は「この着順では凱旋門賞(10月7日、仏ロンシャン、GI、芝2400メートル)に挑戦と大きな声では言えない」とショックの様子。凱旋門賞の登録が締め切られる5月9日までに、今後の動向が決まるもようで、国内ならば宝塚記念(6月24日、阪神、GI、芝2200メートル)が有力だ。3冠馬としては、95年天皇賞・秋のナリタブライアン12着以来、2度目の2けた着順を喫してしまったオルフェーヴル。失った輝きを取り戻すことができるか。 (板津雄志)
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2024年6月15日(土) 12:00
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ウマニティ編集部
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