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重賞初挑戦の東京新聞杯を完勝したアブソリュートが、さらなる高みを目指しGIIマイラーズCに挑む。体質が弱くて長期休養を何度も経験してきたが、ここに来て丈夫になり、主戦の田中勝騎手、宗像調教師とも本格化を実感。東のマイル王から春のマイル王へ-。大きな目標に向かって突進する。
マイルは4戦4勝。前走の東京新聞杯では初の不良馬場も乗り越えて初挑戦で重賞制覇したアブソリュートが、強敵相手にも臆することなくGIIに挑む。
「順調だね。変わりなく来ているよ。もともと期待していた馬が、本物に近づいた感じだね」
主戦・田中勝騎手が充実一途の愛馬に目を細める。デビューから12戦、ただ一度も他人に手綱を渡さず乗り続けてきた素質馬。調整ルームに入室する週末以外はほぼ毎日、アブソリュートの調教に騎乗。14日も自ら手綱を取り、坂路の外ラチ沿いを元気に駆け上がった。
3歳春に新馬-500万下をケタ違いの内容で連勝した衝撃のデビューから数度の長期休養を経るなど遠回りしたが、惚れ込んだ素質に間違いはなかった。
「ここに来て体質が強化されてきましたね。体つきやトモの具合も前走以上だと思います」
じっくりと我慢を重ねて潜在能力を開花させたことで、宗像調教師も状態には自信を見せる。デビュー2連勝後、クラシックへの望みをかけてギリギリまで重賞戦線への挑戦を迷った時期もあった。一進一退で思わしくなかった右後肢の状態。“勇気ある撤退”の決断が、今の快進撃につながった。重賞の常連を負かした前走はもちろん、2走前の2着馬マイネルファルケもダービー卿CTで2着。ここに来ての戦歴は、本格化の証しだ。
「ここでいい競馬ができれば、安田記念が楽しみになりますね」
宗像師が期待すれば、田中勝も「この相手でどこまでやれるかだけど、GIに行きたいから賞金を加算したいね」と意気込む。目指すはもちろん春のマイル王。GI経験も豊富な強豪たちを破って、アブソリュートが安田記念(6月7日、東京、GI、芝1600メートル)へ堂々と名乗りを上げる。(黒田栄一郎)
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