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【LONGINES香港国際競走2017】Road to HKIR⑧~ミスタースタニング香港代表に王手!サイズ軍団が上位独占

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【LONGINES香港国際競走2017】Road to HKIR⑧~ミスタースタニング香港代表に王手!サイズ軍団が上位独占 | コラム | ウマニティ

<ジョッキークラブ・スプリント=馬會短途錦標>
昨年の香港スプリント覇者で日本でも高松宮記念を制覇したエアロヴェロシティが引退したものの、香港スプリンター陣は依然として世界最高の質と層の厚さを誇ります。ポスト・エアロをめざすスプリンター10頭が新たなスプリント王の座(香港スプリント)をかけてトライアルのジョッキークラブ・スプリントに結集しました。

単勝2.4倍の1番人気に推されたのは今年春のスプリント王決定戦であるチェアマンズ・スプリント・プライズを制し、悲願のG1ウィナーとなったラッキーバブルズ。休み明けの今季初戦、プレミアム・ボウル(G2、シャティン芝1200m)ではミスタースタニングに半馬身差の2着に敗れていますが、叩き2戦目の上積みが見込まれ、単勝3.2倍のミスターを人気で上回りました。
これに続いてミスターと同厩のザウィザードオブオズが3.6倍と単勝一桁台はこの3頭。注目すべきは昨年ダントツのリーディングに輝いたJ.サイズ厩舎の大攻勢。この2頭に続いて12倍4番人気のアメージングキッズ、24倍5番人気のディービーピンと4頭を出走させてきました。

さて、ゲートが開くと押して押して先頭に立ったのは一昨年の香港スプリント覇者、ペニアフォビアでした。これにJ.ムーア厩舎の2頭、ノットリスントゥミー、ダッシングフェローが絡み、ぺニアは今季2走、ファビラスワンにハナを奪われて自分の競馬ができなかった憂さを晴らすように400m通過から急加速。前半800mを45秒51とオーバーペース気味で飛ばします。
1番人気ラッキーは追い込み馬ながら最内枠を引き、道中の位置取りが最大の課題と見られていましたが、好スタートから内で控え中団後方の6番手。ミスターはラッキーを内に見て外から。その後ろにはアメージング、最後方にザウィザードとサイズ軍団は後方待機策をとります。400m地点を過ぎて最内からラッキーが位置取りを上げようと試みますが、前はびっしりとブロックされ首を上げてしまいます。鞍上のZ.パートンは前後半折り返しの600m通過地点でも内をこじ開けようとしますが、ここでも開かず。直線に入って最内を衝こうとしてもまた“トラフィックジャム”!

外から追走していたミスターは内で進路が開かずにもがくラッキーを見ながら、ザウィザード、アメージングを引き連れて外から位置を上げ、残り400mで逃げるぺニアに並びかけると残り200mで先頭に立ちます。アメージングがその内側から、さらにその内側からはディービーが、外からはザウィザードのサイズ勢が直線で共演。ミスターが前走プレミアム・ボウルに続いてG2連覇を飾れば、アメージング、ディービーが1馬身馬身半差の2、3着。そこからさらに1馬身半差でザウィザードは逃げたぺニアに僅かに及ばず5着でしたが、4頭出しのサイズ軍団が5着までの4頭を独占する快挙を成し遂げました。


1番人気のラッキーは最内枠が災いして道中4回の不利。全く競馬をできず人気を裏切ってしまいました。しかし、叩き3戦目で本番というのは昨年の香港カップ2着時と同じローテーション。今回全く競馬ができなかったことから成績を鵜呑みにして軽視するのは禁物です。勝ったミスターは昨年のこの時期、まだクラス2の条件馬で香港スプリントには出走できませんでしたが、年明け1月から3連勝でG2ウィナーに。チェアマンズ・スプリント・プライズではラッキーの2着と敗れましたが、ラッキーとはこれまで3勝1敗、香港代表の座に上り詰めて本番に王手をかけました。アメージング、ディービー、ザウィザードの比較では今季既に3戦を消化した前記2頭よりも本番が叩き3戦目となるザウィザードに上積みの期待を感じます。
いずれにしても香港スプリントは上位を独占したサイズ軍団と本番で巻き返し図る春のスプリント王、ラッキーの5頭が中心になりそうです。
(写真提供:HKJC)


★3/26ドバイターフで3連単162,710円を見事的中させた”日本と香港を股にかけて活躍する”海外プロ甘粕代三プロが、海外馬券販売レースの香港国際競走(HKIR)4レースの予想提供をいたします。当日の予想にご期待ください。

甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベット香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、新報馬業(『新報馬簿』『新報馬経』)駐日代表、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。

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