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【フェブラリー】菜七子、武にメラメラ初GI「負けたくない」

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【フェブラリー】菜七子、武にメラメラ初GI「負けたくない」

 JRAで今年最初のGIとなるフェブラリーステークスで、JRA女性騎手として初めてGIに騎乗する藤田菜七子騎手(21)=美・根本=が14日、滞在中の小倉競馬場で異例のGI共同記者会見に臨んだ。初コンビのコパノキッキング(栗東・村山明厩舎、セン4歳)で勝利をイメージし、憧れの武豊騎手(49)との対戦にも「負けたくない」と闘志を燃やした。枠順は15日に確定する。

 ヒロインの登場とともに一斉にカメラが向けられ、シャッター音が鳴り響いた。普段は数える程度しか報道陣がいない小倉競馬場は大にぎわい。コパノキッキングで史上初となるJRA女性騎手GI騎乗を果たす藤田菜七子騎手が、“レジェンド”武豊騎手への闘争心を燃やした。

 「ジョッキーを目指していた頃から憧れでしたし、すごくうれしい気持ちと、負けたくない気持ちはもちろんあります」

 JRA4000勝ジョッキーは、歴代最多のJRAGI75勝を誇る名手。今回は有力視される6連勝中のインティに騎乗する。対決について問われると、菜七子は臆することなく気持ちを口にした。初のGI騎乗に喜びを感じつつ、負けん気の強さものぞかせたあたりが、経験と成長の証しだ。

 有力前哨戦のうち、東海Sを勝ったのがインティなら、根岸Sを勝ったのがコパノキッキング。それだけに、豊も「(ライバルだけに)応援はできないけど、すごいチャンスだし、力は入るでしょうね」と警戒心を見せる。アイドルとレジェンドの対決は、ヒートアップするばかりだ。

 菜七子にとっては、デビュー4年目で初めてつかんだビッグチャンス。想像を超える注目度とプレッシャーに押しつぶされてもおかしくない環境のなか、堂々とした受け答えで胸を張った。

 「GIレースは憧れでしたし、選ばれた馬と選ばれたジョッキーしか乗ることのできないレース。不安で緊張する気持ちと楽しみな気持ちとあります。でも、今は楽しみな気持ちの方が大きいです」

 これまでJRA通算1360戦、さらに地方で204戦。海外でもマカオ、アブダビ、スウェーデンなどで経験を積んできた。キッキングの村山調教師からも助言を受け、平常心で挑む。

 「『GIだからといって変わったことをしないで、いつも通りにレースに臨みなさい』と言われました。朝起きたときからいつも通りのことをしたいなと思っています」

 データも後押しする。菜七子はこれまで全50勝のうち、小林祥晃オーナーの馬で最多の5勝。そのうち4勝が今回と同じ左回りだ。

 「勝つイメージってとても大事だと思うので、こう乗ってこういう風に勝ちたいなというイメージはしています。1着でゴール板を駆け抜けるようなイメージをしています」

 描くのは勝利のイメージのみ。ようやくたどり着いた夢舞台に、誰にも負けない気持ちで挑む。 (斉藤弘樹)

フェブラリーSの出馬表はこちら

 ◆オーナーのDr.コパこと小林祥晃氏 「菜七子はキッキングに絶対に合っていると思っていたんだよ。変に力ませずに柔らかく乗れるジョッキーなら、菜七子はいいでしょ。僕は彼女の騎乗技術を信頼しているんですよ。フェブラリーSの後はいろいろ選択肢はあるけれど、方角がいい米国のブリーダーズCスプリントなんかも面白いよね。それもこれも日本一になってからの話だけど。とにかく、僕自身がすごく楽しみ。コパノキッキング藤田菜七子が乗って、どんな競馬をするのかなあ、ってね。みなさんも楽しんでほしいし、応援してください」

★JRA広報「記憶にない」

 GIの共同記者会見は通常、美浦、栗東の東西トレセンで水曜に行われる。関係者が競馬場で会見を行うのは異例で、JRA関西広報も「小倉競馬場で行われたのは記憶にありません」とコメントした。

 菜七子は7日にも小倉で各社のインタビューを受け、コパノキッキングに騎乗した8日には栗東トレセンで囲み取材に対応。今週も13日に小倉でテレビ4社の取材を受けた。週末は土曜に小倉で6頭に騎乗後、東京に移動して日曜はGIを含めて4頭。多忙だが集中力を高めて大一番に挑む。

★今年のフェブラリーSは

 2017年の優勝馬ゴールドドリーム、6連勝中のインティなどが有力視されている。コパノキッキングは1400メートルまでしか経験がなく伏兵の域を出ないものの、4歳世代が各路線で活躍中。話題性だけにとどまらない魅力がある。根岸Sの勝ち馬も16年モーニン、18年ノンコノユメと過去3年で2頭が優勝しているのは好材料だ。

★14日のコパノキッキング

 滋賀・栗東トレセンの自厩舎周辺で約1時間の引き運動。村山調教師は「追い切り翌日のいつものメニューです。変わりなく来ていますし、カイバもしっかり食べています」と順調ぶりをアピールした。「(連覇の懸かった2015年)コパノリッキーのときもプレッシャーはありましたけど、変わったことをやらずにいつも通りがいいですね」。菜七子フィーバーにも平常心を強調した。

藤田 菜七子(ふじた・ななこ) 1997(平成9)年8月9日生まれ、21歳。茨城県出身。美浦・根本康広厩舎所属。競馬学校騎手課程第32期生として入学し、2016年3月にデビュー。同4月10日にJRA初勝利。昨年8月25日に通算35勝目を挙げ、増沢(旧姓牧原)由貴子元騎手を抜き、JRA所属女性騎手の通算勝利数新記録を達成。JRA通算50勝(14日現在)。特技は空手(初段)、剣道(二段)。身長157センチ、体重45・6キロ。血液型A。

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