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師走の中京を彩るダート王決定戦「第20回チャンピオンズC」(12月1日、GI、ダ1800メートル)は3~7歳世代のGIホースがそろい、実力勝負の一戦となる。なかでも注目はデビューから無傷5連勝中のクリソベリル。その5戦すべてが圧勝で、次代のダート界を担う逸材であることは間違いない。いきなり初対戦の年長馬たちも撃破してしまうのか。音無秀孝調教師(65)は慎重な含みのなかにも自信をのぞかせている。
--昨年9月のデビューから土つかずのV5。2戦目まで半年ほど間隔が空いたが、そのあとは2カ月くらいのスパン
音無秀孝調教師「新馬戦を使ったあとも順調で、2歳のうちに賞金を加算したかったので全日本2歳優駿あたりを目指していたが、飛節の病気で半年休むことになった。3歳春のドバイにも行きたかったけど、それもかなわず、3月の平場戦から再スタートした。そのあと2カ月に1回のローテーションは番組に合わせているから」
--5連勝の内容はすべて圧倒的
「5回とも離して勝っているので、強いなぁと思う。追っていないし、ステッキを入れていないレースもある」
--最終追いは坂路でブラックスピネルと併入「実はボクの評価はあまり良くないんだ。ブラックスピネルに食らいつかれていたからね。本当は突き放してほしかった。相手に軽い松若(騎手)が乗っていたこともあるんだろうけど…」
--ここまでの調整過程は
「4週間前に放牧から帰ってきたときに560キロあって、1回追い切るごとに2キロずつ減っていたが、先週は追い切っても556キロ。今週554キロになればいいが、レースで中京までの輸送があっても550キロは切らないだろう。前走から大幅な馬体増だけど、(絞れない)時季的なモノもあるからね」
--3歳なので成長分もあるはず
「まあ、背が高くなって帰ってきたし、550キロといっても腹が出ているわけではない。やるべきことをやって、付くべきところに付いているから心配はしていないよ」
--いよいよ年長馬とGIの舞台で戦う
「5連勝してきて、いつかは負けるだろうと思っているけど、それが今回かな…と思ったりもする。今までとはメンバーが違う。強いからね。でも、これまで弱いところを選んで使ってきたわけではない。前走にしてもここへ向けて、左回りを経験させたかった。メンバーだけじゃなく、展開や枠など考え出したらキリがないだろう」
--無傷6連勝で3歳馬が勝つとなれば驚異的な世代交代
「全兄のクリソライトはもまれ弱いところがあったけど、弟はそんなところはない。中京の直線は長いけど、コーナーが小回りでそこで減速するから、あまり後ろにいてはキツい。デビュー当初は後ろからの競馬をしていたが、今はスタートも良くなり自在に立ち回れるようになった。競馬は展開のアヤで強い馬が負けることもあるが、能力は通用すると思っている」
--勝てば、先々への展望が大きく開ける
「勝ってくれればいいけど、負けるとショックが大きいよ。だから、後々のことは考えずに今回に集中したい。これまで1番人気に応えてくれているし、今回、何番人気になるか分からないが、期待に応えてくれるようなレースをしてほしい」
おとなし・ひでたか 1954年6月10日生まれ、65歳。宮崎県出身。79年に騎手デビューし、JRA通算1212戦84勝。重賞は6勝でGIは85年オークス(ノアノハコブネ)の1勝。93年に騎手を引退し、調教助手を経て95年に調教師免許を取得。同年6月の開業以降、10年に最多勝利調教師賞を獲得するなどリーディングの上位に名を連ねる。重賞は08年菊花賞(オウケンブルースリ)などGI11勝を含む74勝で、JRA通算6866戦829勝。
(夕刊フジ)
★チャンピオンズCの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
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