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あなたに代わって聞いてきます! 中内田調教師インタビューPart2「運とか、ツキとかやっぱりあるし、それらは自分で切り開いて行くものだと思っています」

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あなたに代わって聞いてきます! 中内田調教師インタビューPart2「運とか、ツキとかやっぱりあるし、それらは自分で切り開いて行くものだと思っています」 | コラム | ウマニティ

「あなたに代わって聞いてきます!」は、ユーザーにアンケートを行い、要望の多かった人にインタビューを行う企画です。今回は「皐月賞の有力馬に関して、どの調教師の方から何を聞きたいですか」のアンケートを実施致しました。その結果、中内田調教師が断トツの得票率61.5%で見事1位を獲得。そこでユーザーの皆様から頂いた質問を、中内田調教師に直撃インタビューしてきました!今回は残念ながらダノンプレミアムは右前脚挫跖(ざせき)のため皐月賞には出走出来ませんが、3部作をご覧頂くと中内田調教師の人柄やダノンプレミアムの課題や適性、そして中内田厩舎の今後の展望が見えてきます!Part1は、馬の育成で重要視するポイントと日本の競馬の良い面、悪い面を教えて下さいました。今回もユーザーの皆様からの質問を中心に楽しく、さらに深く切り込んでいきます。


――先生の競馬に対する姿勢は、十分に伝わりました。今度は、先生のおちゃめな面が知りたかったりするのですが…ユーザーさんから頂いた、この質問を聞いてみましょう! 「運やツキと呼ばれるものを気にしますか? 気にしませんか?」

中内田 小心者なので気にします。

――おおっ! いいですね。

中内田 競馬は生き物なので、流れがあるかなあと思っています。運とか、ツキとかやっぱりあるし、それらは自分で切り開いて行くものだと思っています。ですから馬としっかり向き合って、日頃から努力するだけですね。馬のことをわかってあげる。そうすれば馬も一所懸命に走ってくれると信じています。

――ゲン担ぎはしないんですか? ゲンのいいネクタイをつけるとか、こっそり赤いパンツを履くなど。パワーストーンやラッキーチャームを身につけるとかでもいいです。

中内田 赤いパンツも持っていないですし、そういうのは全くないです。ちなみに、僕はパンツをユニクロで買っています(笑)。

――朝日杯フューチュリティSで、ダノンプレミアムナリタブライアンと並ぶ史上最大の着差をつけたのは、赤いパンツのおかげだったら面白いのに…。全く意外性のない答えでした(笑)。なので、話を戻して競馬の相違点、日本競馬の改善したほうがいい点について伺います。調教師さんの中には、日本の装蹄技術はまだまだとおっしゃる方もいますが、先生はどう思われますか?

中内田 僕は正直、日本は日本の競馬にあった蹄鉄を使っていると思います。日本の蹄鉄が良くないとよく言うんですけど、日本の装蹄師さんやスタッフさんはすごくよく考えているし、爪のことも勉強している人も多いです。僕は、装蹄師さんともよく話しますから。

――日本の競馬にあった蹄鉄とは、どういう蹄鉄ですか?

中内田 日本のスピード競馬と日本の調教に対応できる蹄鉄です。もちろん、これからどんどん進化していくとは思うんですけど、現状はベストのものを使っています。蹄鉄の最先端はアメリカで日本よりも種類はあります。しかし、それはダートを走るための蹄鉄。深いダートをしっかり掻き込める蹄鉄で、スパイクのようなものもあります。一般的にヨーロッパと比べて日本の蹄鉄のほうが軽いですし、今は海外の情報もすぐに手に入るので、装蹄師さんはすごく腕を上げてきています。その中でも特にもうちでやってくれている装蹄師さんは、信頼しています。

――レースで人気馬が負けると「落鉄していました」など、何となく蹄鉄のせいにする風潮があるので、装蹄師さんも切ないところですね。ちなみに蹄鉄は装着してから次の付け替えまで、どれくらいの期間があるのでしょうか?

中内田 2~3週間ですね。最近はある程度、蹄鉄のサイズがあって、爪を見て微調整していくんですが、その微調整がすっごく大事なんですね。その微調整の仕方が本当に職人。建築士レベルの技術を持っています。

――先ほど、日本の蹄鉄は軽いとおっしゃいましたが、素材は何ですか? 昔、競馬場の売店で買った蹄鉄をペーパーウェイトとして使っていましたが…。

中内田 競馬場のショップで売っているのはたぶん鉄製です。乗用馬がつける蹄鉄で競走馬用ではないです。それは装蹄師さんが、それ用に鉄で作ったものだと思いますよ。競走馬の蹄鉄はアルミニウム合金材から造られてます。

――なるほど!(笑)。意外と知らないファンの方も多いんじゃないでしょうか? 私も何も考えずに重りとして使っていましたから。競馬の仕事をしているのに恥ずかしいですね(笑)。それはさておき、ユーザーさんからの次の質問。「中内田先生は、日本以外でどこの国の競馬が好きですか?」というのを頂いています。

中内田 僕は、フィッシュアンドチップス派。イギリスでは、よくフィッシュアンドチップスを食べながら飲んだくれていました(笑)。特にロイヤルアスコットは女性がドレスアップして、大きな帽子を被って競馬が華やか。僕は、正直、日本の競馬もそうなって欲しいです。華やかさは、競馬をさらに盛り上げてくれます。

――ロイヤルアスコットは、ドレスコードが一番高いというのを聞いたことがあります。日本も競馬場がどんどん綺麗になっていますから、そういうのがあってもいいですね。女性によっては、あんなに豪華な帽子を用意するのが大変だなあと思う方もいらっしゃると思うんですけど…あっ、それは自分のことですが!(汗)。

中内田 女性からしたら、それが楽しいんじゃないですか? 着飾るとか。多くの男性は、ドレスアップした女性を見ていたいものですよ。

――着飾るのは好きですけど、私自身は競馬場では馬券を買ってレースを見たい派で(笑)。視界を遮る大きな帽子はレースを見る度に外して、そのうちどこかに忘れて来てしまいそうです。

中内田 アハハハ! 男じゃないですか(笑)。

――いい年して、確かに…(笑)。でも、イギリス、ロイヤルアスコットはまだ行ったことがないので、行ってみたいのです。ダノンプレミアム皐月賞を回避することになってしまいましたが、この先の日本ダービーを勝って、秋も順調だったならば、使いたいレースは、やっぱりイギリスですか?


(文中敬称略 Part3に続く)

次回は4月12日に配信します。どうぞお楽しみに!

■中内田厩舎のHPはこちら http://nakauchida.com/

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