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第97回凱旋門賞(7日、パリロンシャン4R、3歳上、セン馬不可、定量、芝2400メートル、1着賞金285万7000ユーロ=約3億7712万円=出走19頭)世界最高峰の仏GIが19頭によって争われ、ランフランコ・デットーリ騎乗のエネイブル(英=J・ゴスデン、牝4)が好位から抜け出して史上7頭目の連覇を果たした。タイム2分29秒24(良)。短首差の2着は最後方から伸びた3歳牝馬のシーオブクラス。英国牝馬のワンツーとなった。武豊騎手とのコンビで挑戦した日本のクリンチャー(栗・宮本、牡4)は、好位のインを進んだものの直線は伸びを欠き、17着に終わった。
今年も、重い扉を開くことはできなかった。日本国内で4番人気の支持を受けたクリンチャーだったが、好位のインという最高のポジションを取りながら直線は全く伸びず、17着に完敗。日本馬の悲願は持ち越された。
「プラン通りで、流れも悪くありませんでした。いいポジションを取れて、あとは慌てないで…と思っていました」
理想の位置につけた武豊騎手が振り返る。そのすぐ外にいたのがエネイブル。パワフルに伸びる同期の牝馬と対照的に、最後は力尽きた。帰国後は有馬記念(12月23日、中山、GI、芝2500メートル)を視野に入れる。
しかし、JRA4000勝ジョッキーは大敗にも下を向かない。「(凱旋門賞を)6勝しているジョッキー(デットーリ)もいますからね。いつかは勝ちたい。大きな目標です」。日本馬が凱旋門賞に初挑戦した1969年(スピードシンボリ=着外)に生まれた豊は、来年3月に50歳を迎える。半世紀越しの悲願を果たすまで、その挑戦は終わらない。(山口大輝)
★13、14年トレヴ以来史上7頭目
今年も、頂点に立ったのはこの馬だった。人気を集めたエネイブルが好位から抜け出してV。猛追するシーオブクラスを退けて、2013、14年のトレヴ以来、史上7頭目の凱旋門賞連覇を成し遂げた。
鞍上のデットーリ騎手は、自身が持つ凱旋門賞の単独最多勝記録を塗り替える6度目のV。管理するゴスデン調教師も3度目の制覇となり、陣営は喜びに沸いた。これで通算10戦9勝。GIは6勝目となった。
この後は、順調ならばブリーダーズCターフ(11月3日、米チャーチルダウンズ、GI、芝2400メートル)に向かうプランが検討されている。
★売り上げ大幅減
日本国内における凱旋門賞の売り上げは、24億7567万6900円。初年度(2016年)の42億円弱、昨年の34億円強に比べると大きく落ち込んだ。前2年と違い、翌日にも国内の競馬開催を控えている点などが響いたものとみられる。それでも、その他の海外馬券発売レースに比べると売り上げ額は大きく、凱旋門賞への注目度の高さを示す形となった。
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