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前哨戦の巴賞で久々の勝利を挙げたメイショウクオリアが、函館競馬場ダートコースを単走で5ハロン69秒0、終い1ハロン12秒4。賞金上位馬が追い切り直前に回避し、出走にこぎつけたこともあり、意欲的な内容を消化した。巴賞組は函館記念5連勝中。クオリアは幸運も味方につけ、京都新聞杯以来2年3カ月ぶりの重賞タイトルを狙う。
追い切り直前に出走可能と分かったメイショウクオリアが、強行軍にもかかわらず目いっぱいの追い切りを消化。巴賞に続く連勝に闘志をみなぎらせた。
「単走なのに頑張ってくれました。動きはいいし、体の張りもいい。本当に乗りやすい馬です」
騎乗した長谷川騎手の声も弾む追い切りは、ダートコースで行われた。賞金上位馬の回避を追い切る寸前に知り、単走ながら直線はビッシリと気合をつけられる意欲的な調整。“宙ぶらりん”の状況では不可能だった渾身の仕上げを施すことができたのは、何よりの好材料だろう。5ハロン69秒0、3ハロン39秒5-12秒4の時計自体は特筆するほどではないが、大沼S→巴賞→函館記念は連闘→中1週のローテ。これだけ一杯に追えたことが、デキの良さを雄弁に物語っている。
「なかなか使いたいところを使えなかったからねえ…。デキがいい時に除外されたりしたけど、今は具合が一番いい。自信を持って出せるよ」
担当の西橋調教助手も出走がかなった喜びに笑みがこぼれる。前走の巴賞は、実に2年2カ月ぶりの勝利。デキの良さを踏まえて、連闘した決断が吉と出た。それでも重賞出走のハードルは高く、週明けの段階では除外対象に。長谷川も西橋助手も、他陣営の動向に気をもむ毎日だったが、直前になって流れが向いてきた。しかも、週末は雨予報。「クオリアには向く状態になる」と長谷川も色気十分だ。過去5年、函館記念の勝ち馬はすべて巴賞からの参戦。データも運もクオリアに味方している。
「競馬が上手な馬ですし、洋芝も合う。材料はすごくいいですからね。運も必然。そういう時もあるでしょう」
勝負の世界に、運はつきもの。運も実力の内だということを、長谷川は理解している。ギリギリで出走枠に滑り込んだ巴賞勝ち馬メイショウクオリアが、混戦の中で一気に存在感を増してきた。(黒田栄一郎)
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