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【阪神大賞典】ギュスターヴ大金星

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【阪神大賞典】ギュスターヴ大金星

 第60回阪神大賞典(18日、阪神11R、GII、4歳上オープン国際(指)、別定、芝・内3000メートル、1着本賞金6000万円 =出走12頭)断然の1番人気に支持されたオルフェーヴルは、2周目3コーナーで一度、進路から外れるアクシデントもあり2着に敗退。中団の内で脚をためた3番人気ギュスターヴクライが直線で先頭に立ち、オルフェーヴルの追撃を振り切って重賞初制覇を決めた。タイム3分11秒8(稍重)。ギュスターヴの次走は未定だが、天皇賞・春(4月29日、京都、GI、芝3200メートル)に出走してくれば有力候補となる。

 騒然とした仁川のターフで、この馬だけは冷静だった。マイペースを貫いたギュスターヴクライに、思わぬ形で転がり込んできた重賞初V。蛯名騎手の骨折により初めて騎乗、そして勝利に導いた福永祐一騎手は、淡々とレースを振り返った。

 「(馬の)出入りは激しかったけれど、それに乱されることなく、自分のペースで走っていた。4コーナーの手応えもよくて、あとはスムーズに加速させてあげるだけだった」

 最内枠から押して好位のインをキープ。3000メートルの長丁場だけに、脚をためながらゆったりと追走した。ユーイチは「(2周目)3コーナーで、外に逃げたのは見えていた。競走を中止したのかなと思った」とオルフェーヴルの異変に驚いたが、その後も人馬とも冷静にレースを進める。直線半ばでナムラクレセントをかわして先頭に立つと、猛追してきたオルフェーヴルを半馬身差で振り切った。

 充実一途の明け4歳馬だ。昨年の皐月賞、ダービーはトライアルで敗れ、菊花賞は抽選で除外。同じ世代の3冠馬オルフェーヴルとは対照的にクラシックには縁がなかったが、ひと冬を越えて馬体に実が入り、たくましくなった。担当の斉藤厩務員は「筋肉が付いて腰がしっかりした。獣医さんも『すごくいい』といってくれる」と、成長ぶりに目を細める。抜け出してから気を抜くクセも解消。持てる力を出し切り、大金星を挙げた。

 母は96年の秋華賞ファビラスラフインという良血。荒川義之調教師は「成長していますね。今後はこれからオーナーと相談です」と、天皇賞・春については明言を避けたが、素質が開花したステイヤーから、これからも目が離せない。

 ユーイチは「長距離で自在に立ち回れるのは大きな武器。相手が強くなっても、能力は発揮できる」と将来性に太鼓判を押す。“波乱”の阪神大賞典を制したギュスターヴクライの今後に注目だ。 (川端亮平)

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