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臨戦態勢は万全だ。オークスの追い切りが18日、茨城県の美浦トレーニングセンターで行われ、ホエールキャプチャが坂路で弾けた。スピード感あふれるフットワークで好タイムを叩き出し、文句なしの『S』評価を獲得。2着に惜敗した桜花賞からの巻き返しへ、陣営は自信を深めた。オークスの枠順は19日午後に確定。21日に前日発売が実施される。
樫の女王だけは、どうしても譲れない。蒸気した芦毛の馬体から、これ以上ない気迫が伝わってきた。阪神JFに続き、1番人気の桜花賞でも2着に泣いたホエールキャプチャが、美浦トレセンの坂路で軽々と好タイムをマーク。究極の仕上がりをアピールだ。
「思った通りの最終追い切りができました。申し分のない調整ができたと思います」
見届けた田中清隆調教師は、愛馬の動きに満点の評価を与えた。1本目に4ハロン65秒7で脚慣らししたあとの2本目に、単走でスタート。外ラチ沿いをスムーズに駆け上がり、持ったままで加速していく。ゴールまで脚さばきは乱れることなく、スピード感十分に4ハロン50秒1-36秒5-11秒8でフィニッシュ。4ハロン、ラスト1ハロンともにこの日の坂路全体で2番目となるタイムを、まったくの馬なりで叩き出した。
過去2回のGIが阪神競馬場だったのに対し、今回はホームの東京競馬場。阪神での2戦は栗東トレセンに滞在することで輸送の負担を軽減してきたが、今回は慣れた美浦で思う存分に仕上げられたのもプラス材料だ。東京ではGIIIクイーンCで強い競馬を見せており、「東京では上手に競馬している。コースに不安はない」と田中清師。地の利は大きなアドバンテージとなる。
田中清厩舎のオークス参戦は、レディパステルで優勝した2001年以来、ちょうど10年ぶり。パステルは桜花賞には出走しておらず、サンスポ賞フローラS2着からの参戦で、5番人気と挑戦者の立場だった。「あのときは半信半疑だったけど、今回は実力的に上位だし、向かう姿勢は全然違う」とトレーナー。無冠とはいえ、ホエールは挑戦者ではない。勝たなければいけない馬だと強く自覚している。
「今回は目一杯に仕上げたつもり。あとは悔いの残らないように、自分の競馬ができればいいと思います」
こん身の仕上げを施した田中清師は、愛馬を信じてレース当日を待つ。やれることはすべてやった。過去2度のGIでほんのちょっとだけ足りなかった運を、呼び込むだけの態勢は整っている。(越智健一)
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