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【CBC賞】聖奈やった! 48キロテイエムスパーダで衝撃逃げ切り 女性ルーキー史上初の重賞初騎乗V

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【CBC賞】聖奈やった! 48キロテイエムスパーダで衝撃逃げ切り 女性ルーキー史上初の重賞初騎乗V

聖奈やった! JRAの女性ルーキー・今村聖奈騎手(18)=栗東・寺島良厩舎所属=が3日、小倉競馬場で行われたCBC賞で2番人気のテイエムスパーダに騎乗し、芝1200メートルを1分5秒8の衝撃的なレコードタイムで逃げ切った。新人騎手のJRA重賞初騎乗Vは史上4人目で、女性では初の快挙。ルーキートップの19勝をマークし、人気と実力を兼ね備えたニューヒロインが、またひとつ階段を駆け上がった。

293メートルの短い小倉の直線。スタンドのどよめきが、大歓声へと変わった。軽快に飛ばすテイエムスパーダとスーパールーキー今村聖奈騎手に誰も追いつけない。大きな拍手に後押しされ、後続との差をグングンと広げて先頭でゴール。新人騎手のJRA重賞初騎乗Vは史上4人目、女性ルーキーでは初の快挙だ。

「うれしい気持ちでいっぱいです。本当にチャンスがある馬に乗せていただきましたし、最高の状態に仕上げていただいていたのもあります。馬の力を信じて、自信を持って乗れたのが良かったと思います」

祝福の輪の中心で〝聖奈スマイル〟がはじけた。当初は所属厩舎のシホノレジーナで参戦予定だったが、スパーダのハンデが48キロで主戦の国分恭騎手が騎乗できず、チャンスが舞い込んだ。初コンビでも息を合わせて好ダッシュを決めると、迷わずに先手を主張。メンバー最軽量を生かして前半3ハロン31秒8の超ハイペースを刻み、圧倒的なスピードで他馬を寄せ付けずに3馬身半差で逃げ切った。勝ち時計1分5秒8は、従来のタイムを0秒2更新する衝撃のJRAレコードだ。


「4コーナーを回ったときにセーフティーリードかなと。この逃げ切る気持ち良さをしみじみと感じながら、人馬一体になれたと思います」と聖奈。新人離れした鮮やかすぎる逃げ切りに、同馬を管理する五十嵐調教師も「言うことなしでしょう。あのスピードを生かした聖奈ちゃんがすごい。どんな心臓してんねん」と手放しでヒロインをたたえた。

小倉は幼少期からの思い出が詰まった場所だった。現調教助手の父・康成さんのジョッキー時代には、1カ月半ほど短期賃貸マンションを借りて生活するのが毎年の夏の過ごし方。「一種の気持ち悪いファンだったと思いますよ」と振り返るほど、週末は競馬場で全レースを観戦する〝競馬オタク〟だった。

今年3月に夢がかない、騎手デビュー。だが、現実は甘くなかった。1週目は勝つことができず、先輩ジョッキーの技術、実力を肌で感じた。「すごい世界にきちゃいました」。周囲に少し弱音を吐いたが、そこから持ち前の根性と向上心を発揮。明るい性格で関係者からもかわいがられ、騎乗数を重ねてグングンと成長した。重賞初Vの余韻が冷めやらない最終レースも1番人気に応えて4馬身差の圧勝を飾り、今年の新人トップとなる19勝目と、その勢いは加速するばかりだ。

「ファンのみなさまに夢と希望と感動を与えるレースをしたいと思っていました。これからもいいレースができるように日々精進していきます」と力強く結んだ聖奈。偉業を達成した18歳のニューヒロインから、ますます目が離せない。(増本隆一朗)

今村聖奈(いまむら・せいな)こんな人

★プロフィル2003(平成15)年11月28日生まれ、18歳。滋賀県出身。今年3月に栗東・寺島良厩舎所属で騎手デビューし、同13日阪神8Rのブラビオで初勝利。5月22日新潟3Rのタマモエイトビートで10勝目を挙げ女性騎手のデビュー年最多勝記録を更新した。3日現在JRA通算198戦19勝。

★父は元騎手元騎手で現調教助手の父・康成氏の影響でジョッキーを志す。15年ジョッキーベイビーズ関西地区代表決定戦に出場(3着)。目標とする騎手は幸、福永、武豊騎手。

★7週連続V 5月7日から6月19日まで7週連続V。JRA女性騎手としては最長記録。


★同期 同期と仲がよく、一緒に食事や買い物に行く。競馬が終わった後はレース映像を見ながら「このレースはこうやったんけどなぁ」と感想を言い合って勉強している。

★愛犬 ミニチュア・ピンシャーで、名前はリーベ。デビューしてから飼いはじめた。趣味はショッピングと馬の写真を撮影すること。好きなアーティストは特にいないが、最近は平井大やマカロニえんぴつなどを聴いている。




◆菜七子、ロケットに次ぐ史上3人目…女性騎手によるJRA重賞制覇は史上3人目。2016年にデビューした藤田菜七子騎手は、同年3月のスプリングS(モウカッテル9着)で重賞初騎乗。初制覇は19年カペラS(GⅢ、コパノキッキング)で、デビューから3年9カ月、重賞通算23戦目だった。外国人女性騎手では、ロシェル・ロケット騎手=ニュージーランド=




◆師匠の寺島良調教師 「おめでとうという言葉しか出てこないですね。馬の能力が違った部分もあったでしょうから、(テイエムスパーダの)五十嵐先生に感謝ですね。福永騎手や川田騎手に追い方を含め教えてもらって、吸収するのも早いです。ただ、まだまだ精進することも多いし、これからです」

◆父の今村康成調教助手 「家族で自宅で見ていました。スタートから興奮して、4コーナーを回ったときはみんなで立ち上がっていました。レース後に『とりあえずよかった。帰ります』という電話がありました」






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このニュースへのコメント

HELPRO|2022年7月4日 9:07 ナイス! (1)

先ずはおめでとうございます。これが第一歩に成るので控えず負けずに頑張って欲しい。周りの同期も生き残るためにどんどん積極的に攻めてくるのでこれからが本番!

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