第47回
関屋記念(12日、新潟11R、GIII、3歳上オープン、芝1600メートル、1着賞金3800万円=出走18頭)サマーマイルシリーズ第2戦は
内田博幸騎乗の1番人気
ドナウブルーが、
エーシンリターンズとの叩き合いをクビ差制して1分31秒5(良)のコースレコードで快勝した。次走は
京成杯AH(9月9日、中山、GIII、芝1600メートル)か
府中牝馬S(10月13日、東京、GIII、芝1800メートル)を視野に入れている。2番人気の
エアラフォンは最下位の18着に敗れた。
新潟リーディングを争う2人の意地と意地のぶつかり合い。659メートルの直線で繰り広げられた叩き合いを制したのは
内田博幸騎乗の1番人気
ドナウブルー。2001年に
マグナーテンが同じ
関屋記念でマークした基準タイムを0秒3上回る1分31秒5(良)で、1月の
京都牝馬S以来の重賞2勝目をゲットした。
「すごい勝負根性ですよ。2回差されて2回差し返した。きょうは馬の力で勝たせてもらいました」
内田博が牝馬らしからぬ負けん気の強さを絶賛する。スタートしてすんなり2番手を取ると、直後に
エーシンリターンズが構える。直線を向いて残り400メートルの時点では先にドナウにムチが入ったが、200メートルで2頭が抜け出すときにはエーシンが若干リード。それでも食らいついて、グイッとクビ差先着してゴールした。
「スタートが上手で自分の位置で競馬ができる。まだこれから力を付けると思うし、この先も楽しみです」
吹き出す汗をぬぐう内田博には勝利の満足感が満ちていた。夏の新潟でエーシンの
北村宏司騎手は11勝。内田は
関屋記念の勝利で13勝として、熾烈な新潟リーディング争いでも一歩リードした。
ドナウブルーといえば全妹
ジェンティルドンナが
桜花賞と
オークスの2冠を制し、
秋華賞で3冠がかかる。どちらも管理する
石坂正調教師は、ドナウの今後をサマーマイルシリーズを狙って
京成杯AHか、
府中牝馬Sの2通りのローテに揺れている。マイル路線なら
マイルCSが、牝馬路線なら
エリザベス女王杯が視野に入ってくる。「いずれにしてもジェンティルと一緒に走るときがいつか来るだろうね」。姉妹対決を楽しみにする調教師。先にGI馬となった妹に追いつくためにも、もう
ドナウブルーは負けられない。(柴田章利)